悪夢と幻覚に悩まされる超能力者が主人公のサイコロジカル・スリラー『Past Cure』日本語字幕付きで発売開始

ドイツのインディーデベロッパーPhantom 8 Studioは2月23日、サイコロジカル・スリラー『Past Cure』を発売した。対応プラットフォームはWindows(Steam)で、販売価格は2980円。日本語字幕・インターフェイスに対応しており、別途無料デモ版も配布されている。なお国内PlayStation 4版は3月1日に発売される予定だ。

ドイツのインディーデベロッパーPhantom 8 Studioは2月23日、サイコロジカル・スリラー『Past Cure』を発売した。対応プラットフォームはWindows(Steam)で、販売価格は2980円。日本語字幕・インターフェイスに対応しており、別途無料デモ版も配布されている。なお国内PlayStation 4版は3月1日に発売される予定だ。

本作は超能力を駆使して戦うステルス・アクション主体の現実パートと、パズル主体の悪夢パートに分かれた三人称視点のアクションゲームである。主人公イアンは人体実験の被験体として、長年に渡りヨーロッパのどこかにある秘密施設に捕らわれていた。おかげで意識を肉体から分離するアストラル投射やテレキネシスといった超能力に目覚めたが、後遺症として悪夢と幻覚に悩まされるようになった。

しかもイアンは過去3年分の記憶がごっそり抜け落ちており、自分自身のことはほとんど覚えていない。イアンの兄弟を名乗るマーカスという男から電話越しに伝えられた情報を頼りに、過去を取り戻すための活動を続けている。イアンはマーカスに言われるがまま、そして悪夢の中でイアンを導いてくれたソフィアという謎の女性の手を借りながら、人体実験の黒幕と思わしき犯罪組織に迫る。フレッチャー博士という重要人物が泊まるホテルに単身潜入し、情報を引き出すのだ。

レターボックス(画面上下の黒帯)の設定は変更できない。好みが分かれるところだろう

イアンはステルス行動、近接戦闘、銃撃戦を使い分けながら潜入ミッションをこなしていく。投擲武器や索敵ツールはなく、代わりにアストラル投射(体外離脱)と時間知覚(スローモーション)という超能力を使用することで戦闘を優勢に進める。体外離脱により精神をドローンのように動かし、敵の巡回ルートを把握。監視カメラを破壊したり、場合によってはマインドコントロールにより心の中に侵入することも可能だ。時間知覚を使えばステルス行動により敵を迂回しやすくなり、銃撃戦では銃の狙いを定めやすくなる。超能力の使用により下がったイアンの「正気度」は、「ブルーズ」と呼ばれる青い錠剤を飲むことで回復する。

「夢は人間の深層心理を表している」という言葉から始まる本作。数回訪れる悪夢パートでは、イアンの記憶にうっすらと残っている不気味な収容施設や病院からの脱出を図る。亡くなった父親の言葉や、記憶を失う前のイアンが目にした子供の落書き、統合失調症および解離性同一性障害に悩む患者の診断書。どれも見覚えのあるものばかりだ。パズルを解きながら夢世界の奥深くへと進むイアンであるが、毎回過去の記憶を思い出す前に悲惨な死を遂げ、夢から覚めてしまう。

ゲームの長さは約5〜8時間相当。ガンアクション・ステルス・パズルの各要素が掘り下げられる前に終幕を迎えるような印象を与えるかもしれない。購入を検討している方には、Steamストアよりダウンロードできる無料デモ版を事前にプレイし、感触を確かめておくことを勧めたい。なお日本語字幕に関しては、2月24日時点では翻訳できていない箇所(英語表示もしくは字幕無し)が残っているが、物語の理解には支障をきたさない。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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