化物の姫と盲目王子のふれあいを描くアクションADV『嘘つき姫と盲目王子』5月31日にPS4/Vita/ニンテンドースイッチ向けに発売へ

日本一ソフトウェアは、新作アクション・アドベンチャーゲーム『嘘つき姫と盲目王子』の公式サイトを公開し、本作を5月31日に発売すると発表した。プラットフォームはPlayStation 4/PlayStation Vita/ニンテンドースイッチ。『嘘つき姫と盲目王子』は、化け物と人間が織りなす優しい物語である。

日本一ソフトウェアは本日2月15日、新作アクション・アドベンチャーゲーム『嘘つき姫と盲目王子』の公式サイトを公開し、本作を5月31日に発売すると発表した。プラットフォームはPlayStation 4/PlayStation Vita/ニンテンドースイッチで、通常版・ダウンロード版の価格はPS4/ニンテンドースイッチ版が7538円、PS Vita版が6458円(いずれも税込)。本作は、日本一ソフトウェアの全社員からゲームの企画を募集する社内イベント「日本一企画祭」から生まれた作品である。

『嘘つき姫と盲目王子』は、化け物と人間が織りなす優しい物語である。ある森に、狼によく似た「人食いの化け物」が住んでいた。その狼の化け物は恐ろしい姿に似合わず美しい歌声を持っており、月夜の晩にその歌声を響かせていた。ある夜、歌を歌い終えると、どこからともなく拍手が聞こえてくる。森のそばある小国の「王子」が狼の歌を聴きにきていたのだ。しかし岩にさえぎられ、王子からは誰が歌っていたのかは見えていなかったようだ。狼は、普段ならば王子を捕らえて食べてしまうところだが、気まぐれに見逃すことにした。

それからというもの、王子は毎晩のように狼の歌を聴きにやってきた。狼もいつしか王子を食べようという気持ちを失っていた。そんなある夜、歌い終えた歌声の主を一目見ようと王子が岩を登ってきた。自分の正体を知られてしまったら、王子はもう歌を聴きにきてくれなくなってしまう。そう思った狼は、自分の姿を見られないように王子の目を覆おうと手を伸ばしたが、大きな爪のついた狼の手は、誰かに優しく触れるにはあまりにも不向きだった。鋭い爪が王子の顔を切り裂いてしまい、突然の痛みと、化け物の大きな手に驚いた王子は気を失ってしまった。

その日を境に、王子はもう狼の歌を聴きにくることはなくなった。盲目になり、顔の傷を忌み嫌った王族によって城の塔に幽閉されてしまったのだ。そのことを知り胸を痛めた狼は、いてもたってもいられず王子に会いにいく。王子は、あの歌声の主が現れたと気付くが、自分を傷つけた化け物だとは分かっていない。狼は王子が盲目なのをいいことに、自分は「隣国の姫」だととっさに嘘をつき、「森の魔女」にその目を治してもらおうと提案する。森の奥には「自分がもっとも大事にしているもの」を差し出せば、どんな願いも叶えてくれる魔女が住んでいるのだ。しかし、化け物の姿のままではまた王子を傷つけてしまう。狼は先に魔女に会いにいき、美しい歌声と引き換えに、人間の姫の姿に変身する魔法を手に入れる。

ゲームはステージクリア型のアクションゲームとなっている。プレイヤーは狼の化け物を操作し、異形の狼と人間の少女の姿を使い分け、NPCである王子を導きながら、森の奥にある魔女の館を目指すのだ。狼の姿では強い脚力で高い場所に登ったり、障害物をどかせたり、鋭い爪で森を徘徊する人食いの化け物を倒すことができる。一方の姫の姿では、小さな体を活かして狭い隙間をくぐり抜けたり、収集要素である花を摘むことができる。さらに、この柔らかい手のひらならば王子と手を繋ぐこともできる。王子は長い距離を一人で歩くことはできないため、手を繋いで一緒にステージのゴールを目指すのだ。道中にはパズル要素もあり、時には王子と協力してギミックを解かねばならない場面もある。

本作は、ペンで描かれたようなアナログ調のグラフィックが特徴で、キャラクターやステージ、UIなど、画面上の多くの要素が手描きによって表現されている。また、アクションパートではクロスハッチングで表現された陰影や、森の奥行きを感じさせる多重スクロール、柔らかな光の質感など、繊細な2Dグラフィックを全編に渡って楽しめる。ストーリーパートの一部には、アナログで描かれたイラストも使用されるとのこと。

本作では、ゲームと絵本のようなビジュアルとの融合を目指しており、イベントシーンでは声優による朗読と、絵本をめくるような演出とともに進む。本筋の物語とは別にサイドストーリーも用意され、ステージでアイテムを収集することで解放されていくという(ステージはクリア後に再挑戦することが可能)。なお、本作にはステージスキップ機能が搭載され、アクションやパズルが苦手なユーザーでも物語を最後まで楽しめるよう配慮されている。

優しくも切ない物語に、温かみのあるグラフィックが特徴の『嘘つき姫と盲目王子』。所定の店舗では、その世界観を表現したイラストを使った購入特典が用意されるとのこと。詳しくは公式サイトをご確認いただきたい。また、日本一ソフトウェアの公式通販サイト「Nippon1.jpショップ」では、本作の企画・キャラクターデザイン担当の小田沙耶佳氏による「描き下しキャンバスアート(W275 x H220 x D19 mm)」が付属する通販限定版も販売される予定で、本日から予約受け付けを開始している。価格はPS4/ニンテンドースイッチ版が1万778円、PS Vita版が9698円(いずれも税込)。再販困難とのことなので、希望する方は早めに予約を済ませておこう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6891