全長5cmの超小型ゲーム機「PocketStar」開発中。レトロ風ゲームをミニマルなスペックで遊ぶ


超小型ゲーム機「PocketStar」が開発中だ。まだプロトタイプ段階ではあるものの、そのサイズは“キーホルダー程度”とされている。横3cm、縦5cmのコンパクトな製品として開発が進められている。ちなみに公開されている画像のハードウェアに手作り感があるのは、3Dプリンタで作ったプロトタイプ版であることが理由で、製品化された際にはしっかりした素材を用いるとしている。

「PocketStar」は、データの入ったMicroSDカードを挿入してコンテンツにアクセスする形式を採用している。できることは、ゲームのプレイとアプリの利用、ピクセルアートおよびアニメーションの閲覧。ゲームはすでに18種類以上が用意されており、これらはすべて無料ダウンロードできるという。「Pocketman」や「Pocketetris」など往年の名作をなぞるものから、簡易的なオリジナルのミニゲームなどラインナップは幅広い。Arduinoソフトウェアを用いることで、ユーザー自身がオリジナルのゲームをプログラムし、同ハードで遊ぶことも可能であるとのこと。

アプリは小粒ながら実用的な機能が揃えられている。たとえば電卓やタイマー、サイコロやカウンターなど。画像やアニメーションは既存のものを「PocketStar」を転送するためのソフトウェアが開発されており、それを使って変換・転送するという。

スペックとしては、約2.4cmのOLEDの液晶パネルが搭載され16bitカラーに対応。解像度は96×64が予定されている。プロセッサはAtmel ATSAMD21G18Aで、ストレージは256 KBのフラッシュメモリが搭載(MicroSDカードで拡張可)。RAMは32KBになるという。バッテリーは150 mAhで、約2~3時間プレイ可能であるとのこと。またMicroSDのほかにもMicro USB接続にも対応する。仕様を見る限りでは、今のところはサウンド出力に対応しないようだ。

現在Kickstarterにて、約380万円の出資を募るクラウドファンディングキャンペーンが実施されている。約4700円の出資から本体製品を入手することができ、この製品価格は一般販売される際には約6600円に上昇するとのこと。資金が4万ドル(約430万円)以上集まればオーディオジャックがつくといったストレッチゴールも用意されている。

「PocketStar」はコンセプトとしては、80年台後期のゲームボーイと意識したデバイスである。90年台後期に一時期流行した小型ゲーム機の時代を彷彿させる部分もあるだろう。懐かしさあふれる製品ではあるものの、5000円近くする価格はやや悩んでしまう人もいるかもしれない。キーホルダーにつけられるというコンセプト画像があるように、何かに結びつけて暇を持て余した際にプレイするアクセサリーとして利用するのも選択肢であるが、防水機能がついていないということで外の世界に晒して使うにはやや不安が残る。

また超小型ということもあってか、紹介映像での操作シーンがどうしてもやりづらそうに見えてしまう一面もある。どのシチュエーションで楽しむかは、かなりイメージしづらいものの、一方でロマンと懐かしさを漂わせるデバイスである。現時点でKickstarterで100万円以上の出資が集まっており、期待を寄せる人が一定いるのだろう。「PocketStar」は2月から生産が開始され、5月には出資者のもとに届けられる予定だ。