サイバーパンクゲーム『The Last Night』は開発難航中。美しいピクセルアートで脚光浴びるも資金難に陥る

 

インディースタジオのOdd Talesでアートディレクターを務めるTim Soret氏は1月1日、『The Last Night』の開発状況を報告。2018年発売予定だった同作の開発が、現在難航していることを告白した。

『The Last Night』は、2017年のE3にて正式発表されたサイバーパンクアドベンチャーゲームだ。3Dと光源処理を駆使した、独特のピクセルアートで描かれるサイバーパンクな街並みは一躍注目を集め、無名タイトルでありながらトレイラーのYouTube再生回数は100万回を突破するなど脚光を浴びた。Raw Furyをパブリッシャーとし、PCおよびXbox One向けに2018年発売予定だったが、続報は長らく聞こえていなかった。その裏では、さまざまな物事が起こっていたようだ。

Soret氏によると、2018年は、Odd Talesはチームの規模を倍にし、中央ロンドンにスタジオを構え、潤沢な開発資金を得てゲーム制作に勤しんでいたという。ゲームに必要なコードアーキテクチャを開発し、さらにリッチな3Dピクセルアート描写技術の開発に成功したとも。しかしその後、ビジネス、資金調達、法における大きな問題に直面したという。その結果、The Game Awards 2018でお披露目予定だったトレイラーも公開中止に至ったようだ。現在資金調達を進めており、興味のある方は同氏に連絡をとってほしいとしている。ゲームは開発中止されたわけではないものの、そのリスクがある状態だとも語った。

潤沢な開発資金を得ながらも、資金調達をすることになったという、なんともジェットコースターのような1年を過ごしたOdd Tales。直面しているトラブルについては、詳細には語れないというものの、数か月にわたって取り組んでおり、解消できるように努めているとのこと。トラブルは、チーム規模を倍にし、中央ロンドンにスタジオを構えるというハイコストなマネジメントの影響ではないかと問いかけられているものの、Soret氏は、問題はそうした背景とは別に発生していると関連付けを否定している。Raw Furyの公式サイトには依然として発売時期が2018年と表記されているが、現時点での発売日は未定のようだ。

過去にアンチ・フェミニズムともとれる発言をしたことにより(Soret氏はその後発言を謝罪)、敵も少なくないSoret氏とOdd Tales。氏は今回の発言にあわせて、スタジオの現状を示唆するような、『The Last Night』の燃え盛るシーンを映すgifアニメを投稿している。同スタジオは、逆風を乗り越え、期待を集める新作をリリースへとこぎつけられるのだろうか。