悲しみに暮れるゲーマーの少年に、一足早いクリスマスプレゼントが届く。その様子が動画にて公開、30万以上のいいね!が集まる
今年ももうすぐクリスマス。大切な人にプレゼントを贈るなら、できれば相手が心から望んでいる物を選びたいもの。ちょうどアメリカでは、「あるもの」をプレゼントされた少年がちょっとした話題になっており、地元紙East Bay Timesなどが報じている。
中心人物となるのはアメリカ・カリフォルニア州にあるAntioch High Schoolという公立高校に通う男子高校生Shawn Hawkins君。彼は今月初めのある日、学校にある掲示板のホワイトボードに「どうか僕のニンテンドー3DSを返してください」と書き込んでいた。一体なにがあったのか。
彼の高校では、体育の授業がある際には貴重品などは施錠できるロッカーに預けることになっているが、たまたまロッカーがすべて塞がっていて使用できない日があった。Shawn君は、仕方ないので隠すように自分のバッグを置いて運動場へ行ったのだった。そして授業が終わり戻ってきたところ、Shawn君は自分のバッグが何者かに荒らされていることに気付く。中には携帯電話やヘッドフォンなども入っていたが、それらは無事だった。しかし、彼が大事にしていたニンテンドー3DSがなくなっていたのだ。彼はすぐに学校に盗難を報告したが、学校側からは目撃者や証拠がないのであれば何もできないと告げられたという。そのため、Shawn君は「誰にも言わないから、ただ3DSを返してほしい」と、犯人に宛ててホワイトボードにて訴えたのだ。
Shawn君のメッセージは写真共有アプリSnapchatを通じて校内に広まっていき、彼の一つ年上の女学生Shawna Cantilianoさんの目にも留まった。彼女は、Shawn君が3DSをプレイしているのをよく目にしており、また彼がその3DSを大事にしている理由も知っていた。それは、彼の祖母からのプレゼントだったのだ。そのため、犯人から3DSが返ってくる様子もなく気落ちしているShawn君のために何かしてあげたいと、Cantilianoさんは行動を起こすことにした。
Cantilianoさんは、Shawn君に代わりのニンテンドー3DSをプレゼントしようと友人と一緒にクラスメイトに寄付を呼びかけたのだ。少しずつではあるが寄付金が集まる中、彼女は親しくしているGrimm先生にも事情を説明し、寄付をお願いする。すると先生は、「明日の朝まで寄付を募って、足りない分を私が全額寄付する形にしましょう」と提案し、すぐにニンテンドー3DSを買いに行ってくれたという。そして翌日、CantilianoさんらはGrimm先生が買ってきてくれた3DSを綺麗にラッピング。いよいよShawn君に手渡す時が来た。
https://www.facebook.com/lovewhatreallymatters/videos/1782520408437016/
自分のために寄付活動が行われていたことなど知らずキョトンとした表情を浮かべるShawn君に、Cantilianoさんたちはホワイトボードの書き込みを見て何があったか知ったこと、そして皆で協力して寄付金を集めたことを説明し、購入したニンテンドー3DSを差し出した。するとShawn君は感極まって彼女に抱きつき何度もキス。そして「あなたは神様が送ってくれた天使だ」と感謝の言葉を述べている。この間の、徐々に状況を飲み込んで感動を爆発させるまでのShawn君の素直で無垢な表情はなんとも形容し難い。人々の幸せな瞬間を共有する運動をしている団体Love What Mattersを通じて公開されたこの動画は、Facebook上だけでも20万回以上再生され、30万以上もの“いいね!”が寄せられており、多くの人の心を温めたようだ。
Cantilianoさんは、彼女の兄弟が良い高校生活を送れなかったこともあり、Shawn君の境遇は自分の家族と重なって見えたそうだ。そのため、彼には小さな希望を与えてあげたいと感じて今回の行動に移したという。盗まれたのは祖母から贈られた大事な3DSだっただけに、新品のニンテンドー3DSはShawn君にとって完全に代わりになる物ではないかもしれないが、一足早い嬉しいクリスマスプレゼントになったようだ。またCantilianoさんたちの思いやりのある行動には、Shawn君の祖母も喜んでくれているのではないだろうか。ちなみに、Shawn君は将来ゲーム業界で働くことを目標にしており、現在はカリフォルニア大学サンタクルーズ校に進学してゲームデザインを学ぶことを目指して勉強に励んでいるとのことだ。