数十億体のゾンビがうごめく世界で、防壁に囲まれたコロニーを守るスチームパンクRTS『They Are Billions』早期アクセス販売開始

Numantian Gamesは12月13日、拠点防衛ストラテジー『They Are Billions』のSteam早期アクセス販売を開始した。本作の舞台は、ゾンビウィルスの感染者が数十億人規模にまで広まった世界。残りわずかとなった生存者たちが最後の防衛線を張り、文明を再建するため決死の迎撃戦に挑む。

Numantian Gamesは12月13日、拠点防衛ストラテジー『They Are Billions』のSteam早期アクセス販売を開始した。対象プラットフォームはWindows。販売価格は2570円(12月20日までは10%オフの2313円)となっている。

防壁に囲まれた街

本作の舞台は、ゾンビウィルスの感染者が数十億人規模にまで広まった「スチームパンク・ポストアポカリプス」の世界。残りわずかとなった生存者たちが最後の防衛線を張り、文明を再建するため決死の迎撃戦に挑む。ひとたび壁を突破されると住民の間で感染が爆発的に広まり、内部崩壊へと一直線に転げ落ちていく。そのため、何重もの防壁でコロニーを取り囲み、敵の侵攻を遅らせる必要がある。監視塔、トラップ、バリスタで強固な要塞を築き、最大2万体にもおよぶ歩く屍たちの進軍を食い止めねばならない。侵入を許し、司令塔であるコマンドセンターが陥落すればゲームオーバーである。定期的なデータの自動バックアップこそあるが、手動でのセーブはゲーム終了時にしか行えない。一度詰んでしまえばやり直しがきかない。チャンスは一度しかないのだ。

なだれ込んできたら、もう止められない

本作はリアルタイム・ストラテジーゲームであるが、ポーズボタンを押すことでいつでも時間を止められる。安心して熟考できるし、英語が苦手でもユニットや建物の役割・効果をゆっくりと確認しながら進められる。管理するメインリソースは人口、労働者、食料、エネルギーの4つ。そのほかユニットの生産や建物の建設に必要なゴールド、木材、石材、鉄、石油がある。総人口と食料をバランスよく増やし、労働者たちには資源採集に励んでもらう。ただしゾンビたちは人の気配や音にひかれて襲いかかってくるため、安全に働けるよう各所に衛兵を配置することが望ましい。

建物は6つのタイプに分けられている。居住地を建て労働者を増やす「Colonist」、食料や木材の供給量を増やす「Resource」、エネルギーの生産量を増やしたり供給範囲を広げる「Energy」、ワークショップ(研究施設)を建てる「Industry」、兵士を訓練する「Military」、そして防壁や監視塔で人々を守る「Defense」だ。どれかひとつでも不足していると他分野の増強が滞るため、コロニーをバランスよく拡大していく拠点運営の手腕が求められる。

なめらかなアニメーションも見どころのひとつ

なお森林から採れる木材や、湖から釣れる食料が枯渇することはない。気づかないうちに生産がストップしていた、なんて事態には陥らない。ゾンビという大敵に脅かされている分、資源確保の難易度は緩和されているようだ。いざ資源の備蓄が十分にできたら、研究施設であるワークショップを建設しよう。ゴールドを消費し研究を進めることで、より高度な施設を建てられるようになる。すると人口増加が容易になると同時に、より強力なユニット・兵器を生産できるようになる。

兵士の種類は複数あり、弓矢で周囲の注意を引かないように攻撃する「Ranger」、銃器を操る「Soldier」、一撃必殺の「Sniper」、ロケットランチャーを放つ「Thanatos」、そのほか技術を進歩させることで強化外骨格をつけた戦士やメックスーツの操縦士などを訓練できるようになる。なお兵士たちには感染に免疫があるのか、噛まれても体力がなくなるまで平然と戦い続ける。

領土拡大と防衛強化のバランス

コロニーの人口が一定数まで増えると、町長を任命できるようになる。するとコロニーの定期収入を増やしたり、防壁の強度を高めたりといったパークが適用される。要するに人口増加という条件をクリアすることで、コロニーがレベルアップするわけだ。ゲーム内日数が進むにつれてゾンビの攻撃が激しくなっていくため、早いうちにパーク効果をアンロックして人類存亡をかけた戦いを有利に運びたいところである。

だがコロニーを拡大すれば、それだけ兵力を分散することになる。防壁と兵力の補強が追いついていなければ、人々を守りきれず、逆に感染者を増やしかねない。とくにゾンビたちは数日おきに大群(Horde)となって一点集中で襲撃を仕掛けてくる。当日になるまでどの方角から襲ってくるのかわからないため、守りが甘いエリアに攻め込まれたら兵隊の移動が間に合わず、壁を突破される危険性がある。防御一辺倒では兵力・科学力ともに不足しがち。かといって、領土をやみくもに拡大すれば守りが希薄で穴だらけとなる。欲張りすぎず、臆病にもなりすぎず、スマートに事を進める必要がある。

早期アクセス時点で用意されている「サバイバルモード」では、ゲーム開始時にマップの種類・ゲーム継続期間(80日から150日)・感染者人口を選択できる。気をつけたいのは、ゲーム継続時間は短い方が難しいということ。時間が限られてもゾンビの総量は変わらないため、襲撃ごとの密度が濃くなる。マップは4種類あり、最初から選択できる「The Dark Moorland」以外はゲームをクリアすることでアンロックされていく。マップは自動生成されるが、選んだマップの種類によって主なバイオームや地形の傾向が変わってくる。たとえば最初の「The Dark Moorland」は湖や岩山が多く、ゾンビを細道に誘い込んでせき止めるという戦略を立てやすい。守りやすい地形である反面、領土を拡大する際に邪魔になるというデメリットもある。

戦場の霧が晴れた先にゾンビの巣窟が広がっていたときの恐怖たるや

押し寄せる混沌を秩序で食い止める『They Are Billions』の正式リリースは2018年春を予定。正式リリース時には、すでに完成している「サバイバルモード」に加えて「キャンペーンモード」が実装される。後者は「サバイバルモード」とは異なる固定マップを舞台に、さまざまなNPCが登場するストーリー重視のゲームモードである。本作のメインコンテンツはこの「キャンペーンモード」の方であり、蒸気機関車やミュータントといった新要素が登場する40時間から50時間相当のストーリーが待っているとのことだ。なお現時点では英語対応のみとなっているが、「サバイバルモード」に関しては将来的に日本語にも対応する予定だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

Articles: 1953