『ブラッドボーン』没データが新たに発掘される。 ナメクジの王女や黄金の甲冑を着た兵士、黒毛の馬など

『ブラッドボーン』の没データ解析を進めるYouTubeチャンネルSanadskにて、未使用のキャラクターモデルを紹介する新たな動画が投稿された。またSanadsk氏は未使用武器・狩装束の紹介動画も公開している。キャラクターモデルとは違って、本作の武器・防具・アイテムの没データ解析はかねてからコミュニティ内で進んでいた。

『ブラッドボーン』の没データ解析を進めるYouTubeチャンネル「Sanadsk」にて、未使用のキャラクターモデルを紹介する新たな動画が投稿された(同シリーズ第1弾の記事はこちら)。

最初に紹介されたのは、黄金の甲冑を着た兵士。『ブラッドボーン』というよりは『ダークソウル』シリーズに出てきそうな出で立ちだ。なおデータファイルから見つかった実際のテクスチャは、頭部以外ほとんど真っ白の状態であり、動画に映っているのは「Sanadsk」氏が着色したモデルである。それでも兜部分や竜の兜飾りは細部のディテールまで仕上がっている。また胴鎧には3本の矢が刺さっており、腹部は大きくえぐれている。右足は義足となっており、歴戦の猛者のような佇まいがある。右足が義足のキャラクターといえば、ゲールマンが思い浮かぶ。何か関係のある人物として、キャラクターモデルが作り始められていたのかもしれない。

画像はいずれも「Sanadsk」氏の動画より

続いて発見されたのは黒毛の馬。背中には乗馬用の鞍が載っており、騎乗戦闘を想定してつくられたモデルであるように見える。さきほどの甲冑兵士が巨大なハルバードを武器としていたことから、この2体がセットで戦う予定だったのかもしれない。甲冑兵士の兜飾りと、馬の後部に被せられた布は両方とも竜がモチーフとなっているほか、甲冑兵士の右足が欠損していることからも、馬に乗って戦う兵士というアイデアは真実味をおびてくる。

目隠しをした長髪の女性「Slug Princess」(直訳すると「ナメクジの王女」)は下半身がねじれており、足元は拘束されている。本作のDLCエリア「漁村」では大量のナメクジや、軟体動物のような獣が登場する。ゴースの物語と関わるNPCとして準備されていたのかもしれない。

「Sanadsk」氏の未使用キャラクターモデル紹介シリーズ第1弾では、身体が燃え盛る双頭のデーモンが登場した。そして今回、「Lesser Demon」という名称がついたデーモンの姿が披露されている。頭部や翼のデザインは似ているが、肋骨が見える細身のフォルムであり、ボスというよりはモブ敵として作られていたのではないだろうか。なお多くの未使用敵モデルと同じく、身体には炎のエフェクトがかかっている。

「Screamer」と呼ばれる卵。サウンドエフェクトが紐付いているものの、音声ファイルの抽出には成功していない

また「Sanadsk」氏は別途、未使用武器・狩装束の紹介動画も公開している。キャラクターモデルとは違って、本作の武器・防具・アイテムの没データ解析はかねてからコミュニティ内で進んでいた。多くはNPCが着用している装備品であったり、既存防具のバリエーション違いだが、ゲーム内では見られないデザインのものも一部含まれている。今回紹介された装備品のなかには、そうした未見のモデルもいくつか確認できる。

カインハーストの戦士のものと思わしき装備品、「Project Beast」時代の映像に映っていた剣、「ルドウイークの聖剣」の大剣バージョン、両手用と思わしきライフル、フリントロック式ピストル、ゲールマンのラッパ銃、「死体の巨人」が装備している大砲。アイコンだけが存在する頭部用装備として、ビルゲンワースで出現するハエ型の敵「Garden of Eyes」の頭も見つかっている。当初は装備品としてドロップする予定だったのだろうか。また『ブラッドボーン』では脇役とされている盾装備が数点確認できることから、開発段階では盾が有効な防御手段として検討されていた時期があったのかもしれない。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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