蒙古襲来を題材にした侍オープンワールド『ゴースト オブ ツシマ』の情報が、発表前の昨年末にリークされていた。地元新聞紙にて掲載
米国アナハイムにて現地時間12月9日に開催された「PlayStation Experience 2017」のパネルディスカッションにて、Sucker Punch Productionsの開発陣が登壇。新作『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』のデビュートレイラー制作秘話や、インスピレーションを受けた作品について語られた。本作は封建時代の日本を舞台にしたオープンワールド侍アクションゲーム。元寇(蒙古襲来)の対馬侵攻を題材としており、モンゴル帝国軍に攻め込まれた1274年の対馬が描かれる。主人公である侍は、従来の名誉ある戦い方を捨て、戦場の亡霊として侵略軍に立ち向かっていく。
登壇したのはSucker Punchのクリエイティブ・ディレクターNate Fox氏、クリエイティブ/アート・ディレクターJason Connell氏、アニメーション・ディレクターのBilly Harper氏、そしてSIEのアソシエイト・ディレクターRyuhei Katami氏。ホストはIGNのBrian Altano氏であった。パネルの前日に開催されたオープニングセレモニーでは、SIEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏により、本作の存在が対馬の現地新聞で取り上げられてしまったというエピソードが紹介されていた。今回のパネルでは、その詳細が明かされた形となる。
Harper氏によると、開発陣は取材・研究のため対馬に2回訪れており、小茂田浜の祭り(小茂田浜神社大祭か)も見学。滞在中には宗氏の末裔とも時間を過ごし、名刺を交換したという。ところが後日、同スタジオが蒙古襲来を題材としたゲームを制作中であるという情報が、交換したHarper氏の名刺と共に地元の対馬新聞に掲載されてしまった。
対馬新聞は発行部数が限られていることもあり、ゲームメディアにまで情報が渡らずに済んだという。ゲームや映画の撮影・視察スタッフの目撃情報が瞬く間に拡散されていくこの時代において、情報のリークを最小限に抑えられたというのは何よりの幸いだろう。なおBilly Harper氏はパネルディスカッションにて、子供時代に観た黒澤明監督作品から影響を受けたことや、トレイラーのために馬4頭をモーションキャプチャーしたという開発裏話を披露している。クリエイティブ・ディレクターのJason Connell氏も侍映画が好きで、江戸時代物を多く観てきたが、封建時代の日本を題材とした作品は少ないのではないか、という点に注目したとのことだ。
『ゴースト オブ ツシマ』で描かれる対馬は、実際の対馬をそっくりそのまま再現したものではなく、Sucker Punchならではのトッピングを加えたもの。ただし大量の資料と、SIEによる強力なサポートにより「勘違い日本」にはならないオーセンティックな世界づくりが可能になるという。
“You mocapped a HORSE.” 🐴 #GhostOfTsushima pic.twitter.com/psVqBxpQOb
— PlayStation (@PlayStation) December 9, 2017