Valve、Steamでの支払い方法としてのビットコインのサポートを終了。価値の乱高下と、取引手数料の大幅な増加により


Valveは12月7日、運営するSteamでの支払い方法としてのビットコインのサポートを、本日をもって終了すると発表した。同社はその理由として、過去数か月にわたってビットコインの価格変動が増加しており、さらにネットワーク上の決済処理手数料が大幅に増加してることを挙げている。

Valveはビットコイン決済サービス会社BitPayと提携し、昨年4月末からSteamにてビットコインをサポートしてきた。その取引手数料はサポート開始当初は0.2ドル程度だったが、先週の時点では20ドルと約100倍に上昇しており、ゲームの購入のような少額決済にかかるコストとしては高すぎる状況にあった。なお、取引手数料はValveの管轄外にある。

また、ビットコインそのものの価値も上昇し続けており、先月には1ビットコインあたりの価値が初めて100万円を超えたことが広く報じられた(現在は約160万円。今日1日で20万円ほど上昇している)。しかし、その過程では乱高下を繰り返しており、たった数日間で25パーセントも価値が落ちることもあったという。ビットコインでの決済には一定程度の時間を要するため、購入から決済完了までの間にビットコインの価値に大幅な変動が起こった場合に問題となる。

こうした場合には、ユーザーに払い戻しするか、ユーザーに不足分の追加支払いを求めるかのどちらかをおこなう必要があるが、いずれの場合においても高額な取引手数料がふたたびユーザーに請求される。また、こうした対応をおこなう間にまた価値変動が起これば状況はさらに複雑になる。Valveによると、今年に入ってからこのような形で支払い不足に陥るユーザーの数が増加しているそうで、取引手数料の高騰もあり、現時点では支払い方法としてのビットコインのサポートは合理的ではないという結論に至ったという。

今回の発表のコメント欄では、ビットコインのサポート終了への賛否よりも、代わりに別の仮想通貨をサポートするよう具体的な通貨名とそのメリットを挙げて訴える声が多い。Valveは、Steamおよびそのコミュニティにとってのビットコインの有益性を再評価する可能性はあるとしており、将来的にふたたびサポートする可能性は否定していない。ただ、それがビットコインであれほかの仮想通貨であれ、安心・安定して利用できる状況が整わない限り難しそうだ。