フライトアクション『Superflight』Steamで発売。色鮮やかな岩山を果敢に攻めるスリリングなワンコインゲーム

GrizzlyGamesは11月9日、『Superflight』をSteamで発売した。『Superflight』は、ウイングスーツで岩山のあいだを滑空する、とてもシンプルなゲームだ。ただ、こうした言葉だけでは説明できない魅力が詰まっている。

GrizzlyGamesは11月9日、『Superflight』をSteamで発売した。価格は310円で、11月16日までは279円で購入可能。本作は、ウイングスーツで岩山のあいだを滑空するフライトアクションゲームだ。

本作はフライトアクションではあるが、敵などは登場せず武器を使うこともない。またストーリーもなく、操作キャラクターに何らかの個性があるわけでもない。言ってしまえば、一人でただ滑空するだけのとてもシンプルなゲームだ。そういう意味では300円程度という価格も納得かもしれない。しかし、その滑空する気持ち良さをシンプルな操作性と、いくつかのギミックで引き立てている。

ゲームを始めるとプレイヤーは巨大な岩山に向かって上空から滑空していく。遠くにも霞がかった山が見えるが、そちらには行けず目の前の山がマップであると考えていい。ローポリゴンで表現された山は色鮮やかに塗られ、幻想的な雰囲気を醸し出しているが、その色や形はプレイするたびに自動生成により異なる姿を見せることになる。岩山の下限まで下ったり、マップ内のどこかにあるポータルに飛び込むと新たに生成された別の岩山へとワープする。

操作方法は、ゲームパッドの場合は十字キー/左スティック、キーボードの場合はWASD/カーソルキーで左右の旋回と下降上昇を操作する(設定で反転可能)。シンプルながら直感的な操作で、キャラクターを自由に操ることができる。もちろん、滑空しているだけで推進力は有していないので、上昇し続けることはできない。揚力を失い失速することもあるが、基本的には難しいことを考えず気持ち良く飛び回れるよう調整されている印象だ。なお、岩肌に衝突するとゲームオーバーで、メニュー画面に戻り同じマップを最初からプレイしなおせる。

本作にはスコアシステムが用意されており、岩肌スレスレに飛ぶことでスコアが加算されていく。接近して飛んでいる間はずっとスコアが増えていき、離れたところで途切れて1回のコンボスコアとして登録される。そしてコンボスコアとは別に、1プレイ中の合計スコアも集計されている。このふたつでハイスコアを目指すことが、本作唯一のゲームらしい目標といえる。岩山の中にはトンネルのようになった場所があり、その狭い隙間を通り抜けるとボーナスポイントが入る。またポータルに入ることでもボーナスがつく。スコアを稼ぐためには衝突のリスクと隣り合わせになり、また高速で滑空するキャラクターの微妙な操作も求められるというわけだ。

岩山は自動生成されるが、飛んでいる際に気に入ったマップがあればセーブしておき、後からまた呼び出してプレイすることができる。また、セーブしたマップには特定の数列/文字列が振られており、これを使ってほかのプレイヤーとマップを共有することも可能である。メニューにはマップ作成項目があり、そこでその数列/文字列を入力すると同じマップが生成される仕組みだ。ちなみに、ここで入力する文字/数字には特にルールはない。適当な言葉を入力してもそれに応じたマップが生成されるので、いろいろ試していると思いがけない光景に出会えるかもしれない。

「AUTOMATON」と入力してマップを作成してみたところ、このように黄色を基調とし、平らなプレートの多い岩山が生成された

この『Superflight』を手がけたGrizzlyGamesのメンバーは、ドイツ・ベルリン技術経済大学でゲームデザインを学ぶ3人の学生で、本作は学士過程の一環として周囲の助けを借りながら3か月間で開発したそうだ。その後インディーゲームのイベントで賞にノミネートするなどしたため、今回Steamでリリースすることにしたという。本作のシンプルさは学生作品と聞けば納得であるが、美しい空でのスリリングなひとときを楽しめる一作に仕上がっている。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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