Electronic Arts、『Titanfall』開発のRespawn Entertainmentを買収へ。買収額は約356億円

Electoronic Artsは、『Titanfall』シリーズの開発元として知られるRespawn Entertainmentを買収することで同社と合意に達したと発表した。RespawnはEAの組織「Worldwid Studios」に加わり、現在開発中の「スター・ウォーズ」ゲーム化企画やVRプロジェクトを引き続き進めていく。

Electoronic Artsは、『Titanfall』シリーズの開発元として知られるRespawn Entertainmentを買収することで同社と合意に達したと発表した。Respawn側も公式声明をサイト上に掲載している。RespawnはEAの「Worldwide Studios」組織に加わり、現在開発中の「スター・ウォーズ」ゲーム化企画やVRプロジェクトを引き続き進めていくという。

今回の契約にもとづき、EAはRespawnの社員に対して現金で1億5100万ドル、4年間にわたる制限付き株(※)で最大1億6400万ドルを支払う。また、2022年の終わりまでに特定の業績マイルストーンを達成した場合には、追加の対価として最大1億4000万ドルを支払うことになる。買収額は合計で3億1500万ドル(約356億円)で、マイルストーンを完全達成した場合の対価と合わせると4億5500万ドル(約515億円)となる。

※制限付き株: Restricted Stock Units、通称RSU。特に米国において賞与替わりに与えられる自社株のことで、譲渡や売買に制限が掛けられている。長く会社に在籍することでその制限が解除され、RSUを売却できる量が徐々に増えていく。

 

高評価を浴び続ける『Titanfall』シリーズだが、続編『Titanfall 2』の初週売り上げが英国市場において前作の4分の1に下降するなど、セールス面では苦しい展開が見て取れた。今年2月にEAのCEOであるAndrew Wilson氏は、最新作『Titanfall 2』の初期売り上げはEAの予測以下だったが、「現時点で売上不振とは見ていない」と今後のセールスに期待する発言をしている(VG247

Respawn Entertainmentは、Vince Zamplle氏やJason West氏によって2010年に設立された米国のデベロッパーだ。両者は元は『Call of Duty』シリーズ開発のInfinity Wardを設立した人物で、Respawn設立前後にInfinity Wardのメンバーらと同スタジオを離脱し、親会社であるActivisionとは同件および給料の未払い問題などで訴訟合戦を繰り広げたことでも注目を浴びた。その後は今はなきEAのパートナープログラムを経て資金を調達、EAパブリッシングのもと2014年に『Titanfall』、2016年に『Titanfall 2』をリリースしている。今回の買収劇は、以前からEAとRespawnの関係が密にあった上での一幕だと言えるだろう。

2016年5月にEAは、Respawn Entertainmentが「スター・ウォーズ」を題材にした三人称視点アクションアドベンチャーゲームを開発中であると発表しており、作品の詳細はいまだ不明ながら現在も開発が続けられている。また今年10月の発表にもあったように、Oculus Studiosと協力して新作VRゲームにも着手している。『Titanfall』シリーズ含め、Respawnが今後どのような作品を世に輩出するのか、引き続き注視していきたい。

【UPDATE 2017/11/10 10:25】 記事初版にて記載していた誤った買収額に関して、タイトルおよび本文に修正を入れました。訂正しお詫び申し上げます。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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