ゲームやチャリティバンドルなどを販売する「Humble Bundle」が、エンターテイメント系メディアIGNを有する「IGN Entertainment」に買収されたことが明らかとなった。Humble Bundleの公式ブログにて報告されたもので、同社のCEOであるJeffrey Rosen氏がその経緯を説明している。
Rosen氏は、IGNを選択したのは「我々のビジョンを真に理解してくれた、ゲームへの情熱を共有してくれた、そしてチャリティを支えながら素晴らしいデジタルコンテンツを促進する我々のミッションを信じてくれたからだ」と説明。このクエストを続ける「Humble Bundle」を手助けするパートナーとして、IGN以上によき存在は考えられないと伝えている。IGN加入後の展開は詳細には語られてないが、今後さらなる“エキサイティングなこと”があるそうだ。
今ではおもにPCゲーマーのほとんどが知る「Humble Bundle」は2010年に設立、発起人であるRosen氏は『Overgrowth』などを手がける開発スタジオ「Wolfire Games」のCEO兼リードプログラマーでもある。当初「Humble Bundle」はインディーゲームのバンドルを販売するチャリティプロジェクトのための組織だったが、ユーザーが1ドルから好きな価格を設定し購入できる“Pay-What-You-Want(PWYW)”形式や、購入額をチャリティ団体への支払いに好きに割り当てられるシステムなどが話題を呼び、第2回の「Humble Indie Bundle」後に企業として発足することになる。その後2011年には、アメリカのベンチャーキャピタル企業「セコイア・キャピタル」から、4700万ドルの投資を受けていた。
現在、バンドル販売レーベル「Humble Bundle」はインディーゲームのみならず、トリプルA級タイトルや書籍や楽曲なども収録するなど規模を拡大。同社は単品のゲームを販売する「Humble Store」、月額でゲームを提供するサブスクリプションサービス「Humble Monthly」を発足し、今年2月には『A Hat in Time』などを代表とするゲームのパブリッシング事業への参入も発表されていた。
海外メディアGamasutraのリリース報道によれば、これらの事業はIGNの関与なく今後も独立して継続されていく予定だという。またPolygonの取材を受けたIGNのゼネラルマネージャーMitch Galbraith氏は、「Humble Bundle」がパブリッシングするゲームの取り扱いについて、適切なバランスで誌面にて取り扱っていくとしている。