『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下、ゼルダの伝説 BotW)』におけるMod人気は加熱の一途を辿っている。以前にもPC上でWii Uを動作させるエミュレーター「Cemu」を使っての改造が一部コミュニティで始まっていることを報じたが、そのコミュニティベースはどんどん拡大しているようだ。
これまで『Grand Theft Auto: San Andreas』の「CJ」や「トイ・ストーリー」の「ウッディ」が改造により『ゼルダの伝説 BotW』の主人公として参戦してきたが、その後も『God of War』の「クレイトス」、「NARUTO」の「うずまきナルト」らがゲーム内に登場している。そして一転、主人公キャラクターを追加するトレンドは終わり、Mod開発者たちは敵や周囲のキャラクターを改造させ、新たなキャラクターを参戦させている。
たとえば、居眠りが特徴的な中ボス「ヒノックス」を改造した「シュレック」が参戦。『スカイリム』にもModで追加されるなど、謎の人気を誇る「きかんしゃトーマス」の「トーマス」は巨大な馬の枠として参加している。ほかにも前回主人公キャラとして追加された「悟空」に合わせたアイテム「如意棒」や、ゲーム内で滑空する際に使用する「パラセール」を「トイ・ストーリー」の「バズ・ライトイヤー」に変更するModなども公開されている。さまざまなキャラクターが導入されており、2週間前と比較しても、Modのバリエーションは明らかに増えつつあるのだ。
そもそもなぜ半年以上前に発売された『ゼルダの伝説 BotW』の改造が突如流行し始めたのだろうか。思えば同作のModが盛り上がり始めたのは約一か月前ほどであった。一か月前といえば、『ゼルダの伝説 BotW』をCemuで遊ぶ際にどのようにすればModを導入すればいいかというHow toページが作成された時期だ。そこから「CJ」や「ウッディ」Modを生み出したWilianZilv氏やHefty氏が精力的な始め、この2名を中心にハイペースにModが生産されている。「遊び方のガイド」が導入されたこと、そして精力的な活動を見せるクリエイターが現れたことがコミュニティの拡大につながっていると言えるだろう。
ただ、やはり気になるのはこうしたModや改造がほぼ黒であることだ。エミュレーターを使って改造をおこない、他タイトルのキャラクターを登場させ、そのファイルを配布するという行為は、どのプロセスを切り取っても著作権の問題が影を落とす。海外では改造やModが文化になっているとはいえ、盛り上がれば盛り上がるほど企業にとって見過ごせなくなっていくことが予想される。強引に改造をおこなってでも『ゼルダの伝説 BotW』の世界をさらに拡大させたいという情熱と意欲は評価したいものの、公開停止処分を受ける日は近付きつつあるだろう。