『イースVIII』海外の販売会社が「ローカライズの品質」について謝罪。翻訳の修正を誓い再出発をはかる
NIS Americaは先月から欧米で販売している『イースVIII -Lacrimosa of DANA-(以下、イースVIII)』のローカライズの品質について、メールを通じてユーザーに対し謝罪をおこなった(RPG Siteより)。NIS Americaの社長であるTakuro Yamashita氏は、『イースVIII』のローカライズの品質が自分たちの求める水準に達していないことを認め、ユーザーに深く謝罪した。
https://twitter.com/Rucean/status/909493083800313856
Yamashita氏は今回の事態の原因究明をおこない再発防止を誓うとともに、翻訳者を変更して誤字脱字や文法ミス、(用語の)一貫性の欠如を修正し、会話やキャラクターが生き生きしたものにすることを発表。さらにテキストの修正にともない、変更箇所のボイス収録をおこなうことも告知。11月までにこの作業を終わらせ、PlayStation 4およびPlayStation Vita版向けには無料アップデートをおこない、修正された新たな『イースVIII』が楽しめるようになるという。いまだに発売が決まっていないSteam版には、こうしたアップデートが最初実装される予定とのこと。結果的に、11月終わりまでSteam版が発売されないことはほぼ確実となった。
『イースVIII』のローカライズの問題は、以前より一部メディアやユーザーから指摘されていた課題であった。翻訳の質自体はゲームプレイには差し支えはないものの、文法上のミスも少なくない上に、ゲームの世界やキャラクターの魅力をうまく伝えきれていないとの不満が出ていた。一部のユーザーは、開発元である日本ファルコムに日本語で改善要求のメールを送信していた(関連記事)。
メールが直接的にNIS Americaを動かしたかどうかは不明であるが、ひとつの声として受け止められたことは間違いないだろう。一度ローカライズし発売した製品を、ボイス収録を含めてもう一度ローカライズし直すというのは、コストという点でも手間という点でも、その労力ははかりしれない。今回の騒動を受けて、これまで関連タイトルの海外販売を担当していたXSEED Gamesに任せるべきだったと嘆く声もあったが、今回のNIS Americaの謝罪および対応は、日本ファルコムタイトルの海外販売を今後も続けていくという強い覚悟を感じさせる。