高難易度のカートゥーンアクション『Cuphead』の売り上げが絶好調、Steam版は早くも20万本を突破し勢いは衰えず


インディースタジオStudioMDHR Entertainmentが発売した『Cuphead』におけるSteam版の売り上げが絶好調だ。9月29日に発売された同作は、売り上げを着実に伸ばしており、SteamSpy調べによれば、すでに販売本数(厳密には所有者数)は20万本を突破している。

Steamの「全世界売り上げ上位」でも『PUBG』に次ぐ人気を維持

特筆すべきは、その売り上げ傾向だ。『Cuphead』の売り上げペースを見てみると、上々の出だしを見せているが、その売り上げ数は日を追うごと増している。一昨日に10万本を突破したと思いきやすでに20万本を突破しており、このペースを維持すれば今週中に40万本に届いてもおかしくはない。一般的にゲームは初日にもっとも高い売り上げを記録し、徐々にそのペースは落ちていく傾向にある。またSteamのタイトルの売り上げについて言えば、出だしはコンソールタイトルより静かなものの、クチコミやセールを経て堅調に売り上げを伸ばしていくことが多い。あくまでSteamSpyベースの数値ではあるものの、発売日と同じペースで販売本数を伸ばし続けている『Cuphead』がいかに好調であるかわかる。

売り上げを後押ししているのは、やはりクチコミの力が大きいだろう。『Cuphead』といえば、古いブラウン管を通して見ているような1930年代のカートゥーンアニメのようなビジュアルが注目を集めた作品だ。鉛筆とインク、水彩絵の具を用いて、登場する全キャラクターのアニメーションのひとコマひとコマをすべて手描きで作成されているという狂気的な製作手法が話題を呼んだが、ゲームプレイもまたビジュアルに負けない完成度を誇る。

ゲームライターがプレイし、そのへたっぷりからも話題となったタイトルだ。チュートリアルの突破に謎の緊張感を抱いたプレイヤーもいるだろう。

基本的には高難易度でありながら、理不尽な死が発生しないように設計されている。また、アイテム(装備)を購入することで対策をとることができるなど、プレイヤーに与えられる裁量は広いので、より死に対して納得できるゲームデザインとなっている。死んだ時に進行状況が表示するオプションも、うまくプレイヤーのモチベーションを高めている。さらに本作の目玉であるボスバトルでは、ボスは進行状況に応じて姿や攻撃パターンを多彩に変える。必死に戦いながらボスの新たな形態に期待感を抱くプレイヤーも少なくないだろう。グラフィックはキュートで、ゲームデザインは硬派でありながら、ユーザーのモチベーションをうまくコントロールする絶妙なゲームデザインは特筆すべきものがある。グラフィックだけではなく、高い完成度がクチコミを呼び、売り上げを後押ししていると考えられる。

本作はXbox One向けにも発売されており、そちらでもSteam版と同様に好調な売り上げが予想できる。開発スタジオを設立したMoldenhauer兄弟は、開発に専念するため仕事を辞め、家を抵当に入れて開発資金を捻出したというが、彼らの覚悟と情熱は、売り上げという形でもすでに報われつつあるようだ。