ゲームをテーマにした浮世絵を制作するプロジェクトが新たに進行中。『ゼルダの伝説』や『FF7』などのキャラクターが登場

イラストレーターのJed Henry氏と木版画職人のDave Bull氏は9月12日、「Ukiyo-e Heroes: Boss Fights」の制作資金を募るKickstarterキャンペーンを開始した。このプロジェクトは、ゲームのキャラクター同士が戦う場面をモチーフにした本格的な浮世絵作品を制作するものだ。

イラストレーターのJed Henry氏と木版画職人のDave Bull氏は9月12日、「Ukiyo-e Heroes: Boss Fights」の制作資金を募るKickstarterキャンペーンを開始した。このプロジェクトは、ゲームのキャラクター同士が戦う場面をモチーフにした本格的な浮世絵作品を制作するものだ。Kickstarter日本進出を受けて立ち上げられた最初の国内発プロジェクトのひとつである(関連記事)。

Henry、Bull両氏は2012年にも同じようなテーマのKickstarterキャンペーン「Ukiyo-e Heroes」をおこない、初期目標金額の30倍の資金を集める成功を収めていた。それから5年が経ち、Bull氏のもとで働く職人たちのスキルが向上していることもあって、Henry氏が描くより複雑でエネルギッシュな浮世絵を木版画にすることが可能になったため、今回の「浮世絵ヒーロー」シリーズ第2弾に結びついたという。

今回制作される浮世絵の絵柄は、『ゼルダの伝説』や『ファイナルファンタジーVII』『モンスターハンター』『Overwatch』などがモチーフとなっており、公開されている原画では、いずれも大迫力のバトルの模様が描かれている。木版で和紙に摺ると独特の風合いによって、より浮世絵らしい雰囲気が出ることだろう。このうち『Overwatch』に関しては、4枚のパネルに分かれた連作も用意されている(3枚分の価格で4枚すべてを入手可能)。

そのほか、前回のKickstarterキャンペーンで制作した『ワンダと巨像』や『METAL GEAR SOLID』『ドラゴンボール』をモチーフにした浮世絵の木版を新たに彫り、木版画として今回のキャンペーンで提供する。また、前回の浮世絵をすべてまとめて和綴じで製本した「Special Edition Ukiyo-e Heroes Book」も制作し、こちらにはそれぞれの浮世絵の解説やHenry、Bull両氏のコメントも収録されるという。

これらの浮世絵について、出資者は30 x 43cmのジークレー版画(デジタル・リトグラフ)か、18 x 23cmの木版画を選択できる。木版画の場合は、人間国宝である九代目・岩野市兵衛氏が漉く最高級の和紙が使用されるとのこと。

Kickstarterキャンペーンは残り29日で、初期目標金額の1万ドル(約110万円)は既に突破している。35ドル(約3800円)以上の出資でジークレー版画が一枚、150ドル(約1万6000円)以上の出資で木版画が一枚入手できる。そして「Special Edition Ukiyo-e Heroes Book」については1500ドル(約16万円)以上となっている。浮世絵は一枚ずつ順次制作されるため、それぞれ発送時期が異なるので詳細はキャンペーンページを確認されたい。

2012年のKickstarterキャンペーンで制作された浮世絵は高く評価され、ハンブルク美術工芸博物館にも収蔵されている。現在は浮世絵ヒーロー公式オンラインストアで購入可能

ちなみにDave Bull氏は東京・浅草に工房を構えており、木版画の摺りを体験できるPrint Partyもおこなっている。外国人向けの旅行ガイドブックに掲載されるほど人気だそうで、今回のKickstarterキャンペーンではその予約も出資プランのひとつとして用意されている。工房ではこれまでに制作した「浮世絵ヒーロー」の作品を見ることもできるそうなので、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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