『サウスパーク』新作ゲームでは高難易度なほど主人公の肌が“黒色”に、痛烈な人種差別ジョークを盛り込む

2017年10月のリリースに向け開発が進められている「サウスパーク」ゲームの最新作『South Park: The Fractured But Whole』。Eurogamerによるキャラクター作成シーンから冒頭のゲームプレイ映像が公開され、同作の難易度設定により主人公の肌の色が変化することが明らかとなった。

2017年10月のリリースに向け開発が進められている「サウスパーク」ゲームの最新作『South Park: The Fractured But Whole』。Eurogamerによるキャラクター作成シーンから冒頭のゲームプレイ映像が公開され、同作の難易度設定により主人公の肌の色が変化することが明らかとなった。その仕様は、難易度が低いほど肌が白くなり、難易度が高いほど肌が黒くなるというもので、多数の海外メディアがニュースとして報じている。

難易度は全5段階あり、最高難易度では黒色人種に近い肌の色になる。もちろんこれは現実世界における有色人種や黒色人種への差別を突いた同作の痛烈なブラックジョーク。難易度の選択中、原作の人気キャラクターであるカートマンはナレーションで、「心配するな、戦闘には影響しない。オマエの人生すべての面で関係あるだけだ」と伝える。Eurogamerの記者Aoife Wilson氏とChris Bratt氏がUbisoftの開発者にたずねたところ、実際に選んだ難易度によって、ゲーム内では受け取るお金の量やNPCから主人公への話し方が変化するという。

コロラド州にある田舎町を舞台とする「サウスパーク」は、1997年から米国のケーブルチャンネル「コメディ・セントラル」にて放送されているアニメ番組。エロ・グロ・ナンセンスに加え痛烈な社会風刺やブラックジョークを魅力としており、人種差別に関するジョークも同作の持ちネタの1つだ。たとえばシーズン16のエピソード「I Swear」では、人種差別主義者であるカートマンが、同級生2人を「黒色人種は黒色人種と付き合うべきだから」という理由で恋仲にしようと暗躍する。原作のこういった強烈なジョーク性は、今作『South Park: The Fractured But Whole』にも受け継がれているようだ。

なお前作では職業の1つに「ユダヤ人」が登場していた。原作においても「ユダヤ人」は、カートマンがたびたび同級生のカイルを槍玉に挙げるネタである

『South Park: The Fractured But Whole』は、Obsidian Entertainmentが開発した『South Park: The Stick of Truth』の続編タイトル。原作の過去エピソードに登場した「クーン」を中心とするスーパーヒーローエピソードをベースに、プレイヤーはサウスパークの町に新たにやって来た子供の一人として、原作に登場する子どもたちと協力して町を危機から救うことになる。開発は新たにUbisoftのサンフランシスコスタジオが担当しており、幾度かの延期を経て今年10月17日にリリース予定。なお前作と同様に、現時点で日本国内での販売は発表されていない。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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