『マリオメーカー』の「1コースの投稿」に480時間以上を費やす。とある投稿者が挑んだクリアをめぐる果てなき挑戦

『スーパーマリオメーカー』にて、とある投稿者がひとつのコースを公開するために480時間以上を費やしたことが海外で話題になっている。こう表現すると、どれほど時間をかけてコースを「作った」のかと考えるかもしれないが、480時間は「作成」だけではなく「投稿」するためにも多く費やされたようだ 。

WiiU向けタイトル『スーパーマリオメーカー(以下、マリオメーカー)』にて、とある投稿者がひとつのコースを公開するために480時間以上を費やしたことが海外で話題になっている。こう表現すると、どれほど時間をかけてコースを「作った」のかと考えるかもしれないが、480時間は「作成」だけではなく「投稿」するためにも多く費やされたようだ 。その様子をKotakuRolling Stoneが伝えている。

YouTubeやTwitchを中心に活動するストリーマーFailstream氏は、数多くのゲームタイトルのプレイ映像を配信しており、特に『マリオメーカー』のコース作りの様子を熱心に放送している。Failstream氏は有名配信者であると同時に、『マリオメーカー』の有名投稿者でもある。発売当時から高難易度コースを投稿しており、特に「Fail’s Flotilla」シリーズは根強い人気がある。Failstream氏はこのシリーズを完結すべく、最後の作品「Fail’s Flotilla : Final Flight」を制作していた。しかし、コースを作り終えた投稿者には「クリア」の壁が立ちはだかる。『マリオメーカー』では、投稿する前に投稿者自身がそのコースをクリアしなければならない。このクリアのために、480時間のうちの多くの時間を費やすことになったのだ。

シリーズの第二作目を公開する前の2016年5月から、この最終作のコース制作は始まったという。480時間のうち360時間以上はコース調整を含めた試行錯誤に、120時間以上がクリアするためだけのガチンコの挑戦に費やされた。今年の7月からはその傾向が顕著で、Twitchの放送では、その軌跡が垣間見える。

そして8月30日に、ついにFailstream氏はゲームをクリアする。ユーザーと楽しげに会話していた顔つきはクリアに近付くにつれて神妙になり、口数が減っていく。そしてクリアの瞬間、氏は大声を叫び、チャット欄も祝福で埋め尽くされている。その喜びようを見ていれば、画面の向こうの出来事でありながら、こちらもつい笑みがこぼれてしまうほどだ。一年以上にわたり、480時間以上を費やして生まれた大作が、真なる意味で完成した瞬間であった。

そしてついにコースは公開された。コースIDは「154E-0000-0358-C2FB」。すでに多くのプレイヤーが同ステージをプレイしているが、いまだにこのコースをクリアしたプレイヤーは現れていない。前作「Second Impact」もまたクリアしたプレイヤーが存在せず、それを発展させた最終作を突破できるプレイヤーがいないのは、当然といえるだろう。

「Fail’s Flotilla」シリーズを完結させたFailstream氏であるが、これが氏の作成する最後のコースにはならない。シリーズを終えてなお、今この瞬間(9月1日18時)にも氏は新たなコースを作成し配信している。 『マリオメーカー』コミュニティが存在する限り、氏の挑戦は終わらないようだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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