マイクロソフトが推進する「Windows Mixed Reality」対応HMDはSteamをサポートへ。『Halo』のMRコンテンツの開発も発表
マイクロソフトは8月28日、Windows 10向けに今秋提供予定の大型アップデート「Fall Creators Update」でサポートする「Windows Mixed Reality」のパートナー企業や提供予定コンテンツについて続報を発表した。
Mixed Reality(MR)とは複合現実のことで、簡単にいうと目の前の現実世界とCGの仮想世界を融合させる技術だ。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して体験することができる。Windows Mixed Realityに対応するHMDでは、前面のカメラで目の前の風景を捉えてディスプレイに映し出し、CGと組み合わせる。言い換えれば、そのカメラを使わなければVR(仮想現実)用としても機能する。
そこで今回の発表の中で注目したいのは、マイクロソフトとValveが提携して、Windows Mixed Reality対応HMDがSteamで販売されているVRコンテンツに対応する点だ。SteamではVRゲームの対応デバイスとしてOculus Rift・HTC Vive・OSVRを現在サポートしているが、ここにWindows Mixed Realityが加わることになると思われる。Windows Mixed Reality対応HMDはAcer・Dell・HP・Lenovoから今秋発売予定で、それぞれ細かな違いはあるものの基本仕様は統一されている。PCゲーム配信プラットフォームの最大手を利用できることはユーザーの利便性に大きく寄与するはずだ。
もちろん、マイクロソフト自身もWindows StoreでMR/VRコンテンツを扱っていくことになる。今回そのローンチラインナップが発表され、ゲームではこれまでにイベントなどでも披露されていた『Minecraft』や、『ARK: Survival Evolved』のスピンオフ作品『ARK Park』、『SUPERHOT VR』などが名を連ねている。また、343 Industriesが『Halo』をテーマにしたMRコンテンツを開発中であることも明らかにされた。
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Windows Mixed Realityの特徴は、対応HMDが399ドルからと比較的安価であることがまず挙げられる。開発者向けではあるが、日本でもAcer製のHMDが4万円で販売されている。そしてポジショントラッキングはHMDに内蔵されたセンサーでおこなうため、外部センサーを部屋に設置する必要はない。ハイエンドの製品と比べると性能は劣るかもしれないが、導入のハードルを可能な限り低くすることに努めていることが分かる。なお今年のホリデーシーズンから、対応PCには60fpsでの動作を保証する「Windows Mixed Reality PC」と、90fpsでの動作を保証する「Windows Mixed Reality Ultra PC」という認定マークがつけられるとのこと。さらなる詳細は、9月1日からドイツで開催されるIFA 2017(国際コンシューマ・エレクトロニクス展)で発表予定だ。