AI刑事が失踪事件の真相を追うテキストADV『Subsurface Circular』配信開始。地下鉄が舞台のSFミステリー
Mike Bithell氏が率いるBithell Gamesは8月18日、テキストアドベンチャー『Subsurface Circular』を発表およびリリースした。登場人物は全員アンドロイド。地下鉄車両内で完結する短編SFミステリーとなっている。Bithell Gamesは『Thomas Was Alone』『Volume』で知られる開発チームであり、本作は次回作のプロジェクトが始動するまでの、数か月間の空白期間を使って開発された作品である。対象プラットフォームはWindows/Mac(Steam)で、販売価格は598円(8月25日まで20%オフの478円)。対応言語は英語のみとなっている。
物語の舞台となるのは、日々1000万体以上ものアンドロイドが地下鉄を利用し、安定した労働力として社会を支える近未来都市。主人公は勤務地である地下鉄環状線「Subsurface Circular」の車両内から出られないようプログラミングされた、都市管理機関所属のアンドロイド刑事である。与えられた任務は、地下鉄の乗客であるアンドロイドたちに聞き込み調査を行い、事件解決につながる情報を管理者に提供することだ。
ある日主人公は、アンドロイド製造工場で働く1体のアンドロイドより「失踪した仲間を探して欲しい」との依頼を受ける。いなくなったのは1体ではなく、ここ数週間ほど同様の失踪事件が相次いているとのこと。こうして調査作業がはじまり、乗降するアンドロイドたちへの聞き込みを続けることになる。またアンドロイドとの対話を通じて、本作の世界におけるアンドロイドの役割、人間とAIとの関係性、複雑な社会情勢が明らかになっていく。
登場人物は皆アンドロイドであるが、個体の役割によって知性レベルやコミュニケーションの取り方が異なる。商品の宣伝につながる発言しか許されていない広告塔、人間のカウンセリングを担当する精神科医、他アンドロイドの懺悔を聞く神父。老朽化し修理センター通いとなった古参アンドロイド、失職によりプログラム初期化を余儀なくされた求職中アンドロイドなど、彼らの話を聞くことで、この社会がどのように機能しているのか、その片鱗が見えてくる。
ゲームプレイとしては、会話中に選択肢を与えられるテキストアドベンチャーとなっている。事件の手がかりとなる重要ワードは質問リスト「Focus Point」に追加されていき、他の乗客から情報を引き出す際に選択肢のひとつとして選ぶことができる。1周あたりのプレイ時間は2時間ほど。はたしてアンドロイドの失踪は人間が起こした事件なのか、それともアンドロイド同士のトラブルが招いたものなのか。環状線を1周し終えるころには、乗客たちが残していった伏線が回収され、解決編に到達する。
なおゲーム内には開発者コメンタリーも用意されており、「BithellBot」との質疑応答形式で開発の裏話や短編シリーズの展望を知ることができる。