カプコン、PC版『ストリートファイターV』のMod制作者に著作権侵害を警告。『ニーア オートマタ』の2Bなどのスキンを販売

 

PC版『ストリートファイターV』では、Modによってキャラクターの見た目を変えることが可能だが、ユーザーがどのようなModを制作し実装しているか、同作の開発・販売元のカプコンは目を光らせているようだ。Mod制作者のBrutal Ace氏とKhaledantar666氏は、カプコンからDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に違反していると通告を受けたことをそれぞれ報告し、海外メディアPC Gamerなどが報じている。

二人はこれまでにさまざまな『ストリートファイターV』用Modを制作してきたが、他社の著作物をモチーフにしたものも多く、Brutal Ace氏はDCコミックスの「ワンダーウーマン」や『鉄拳』のオーガ、一方のKhaledantar666氏は『ベヨネッタ』や『ゼルダの伝説』のリンク、『ニーア オートマタ』の2Bなどのスキンを手がけている。二人は支援者から寄付を受け付けることができるPatreonにサイトを開設していた共通点もあり、それぞれ多くのファンを獲得していた。カプコンが二人にDMCA違反を通告したのもPatreonを通じておこなっており、これを受けてPatreonは両者にサイトの閉鎖を予告した。なお、二人は別の場所を拠点にMod制作を続ける意向を示している。

PatreonでBrutal Ace氏は、寄付をしてくれた支援者にはModを無料公開する1週間前に提供し、Khaledantar666氏の場合は支援者限定のModを提供していた。自らが所有していない著作物を無断で使用するばかりか、事実上販売して利益を上げていたということで、カプコンは悪質だと見なしたのかもしれない。二人のこうした行為にはコミュニティサイトRedditでは批判の声も上がっていた。実際のところ、二人以外にも著作権を侵害していると思われるMod制作者はほかにもいるが、Brutal Ace氏はRedditユーザーが騒ぎ立てたおかげで、自分たちだけがカプコンに目を付けられたと語っている。実際そういった経緯があったのかもしれないが、著作権を侵害していた事実に変わりはない。

ゲームにおける著作権侵害という意味では、こういったModは非公式の新作や続編を作るファンゲームと似ている。弊誌でも取り上げてきた問題だが、基本的にそのゲームが好きだというファンの想いからでた行動だけに制作者には批判の声もあれば支持する声もあり、どちらの問題の解決にもメーカーは苦慮していそうだ。