真の万能ゲームパッドをうたう「ALL Controller」プロジェクト始動。PCもコンソールもスマホもこれひとつですべて対応
弊誌読者の皆さんは現在いくつのコントローラーを所有しているだろうか。コンソール機を持っているならその数だけコントローラーがあるだろうし、家族や友達と一緒にプレイするために買い足している人もいるだろう。さらにPC用のコントローラーを別に用意していたり、中にはスマホゲームでもコントローラーを使っている人もいるかもしれない。コントローラーがいくつも部屋に転がっているというのはありふれた光景だが、Digital Depthが現在Kickstarterキャンペーンで開発資金を募っている「ALL Controller」があれば、すべてこれ一つでまかなえてしまうかもしれない。
Digital Depthが「The World’s First True Universal Gamepad(世界初の真の万能ゲームパッド)」とうたうALL Controllerは、11種類のUSBドライバーと7種類のBluetoothドライバーを内蔵することで、PC/Mac/Linux/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/iOS/Androidで使用できるコントローラーだ。さらにNintendo Switch/Wii U/Wiiにも対応できるよう開発が進められている。DUALSHOCKのように2つのアナログスティックが平行に並んだレイアウトで、デザインはXbox Oneコントローラーに近い。、前面には液晶モニターがついている。また、背面には2つのパドルスイッチも用意されている。形状についてはまだ最終形ではなく、さらにブラッシュアップするそうだが、特にクセのないデザインに仕上がっているように見える。また要望が多ければ、セガサターンコントローラーのような前面6ボタンのモデルを追加するかもしれないとのこと。
ALL Controllerの特徴は単に多くのプラットフォームで使用できるというだけでなく、さまざまなカスタマイズが可能なことだ。たとえばボタンマッピングやマクロを設定したり、アナログスティックの感度やデッドゾーンを調整したり、あるいはキーボードやマウスの操作を割り当てたり。こういった設定を液晶モニターで確認しながらおこなうことができ、設定は16種類まで保存することができる。特にPCでのカスタマイズ性が高いので、ゲーム以外にも使い道ができるかもしれない。またSDKが提供されるので、ユーザー独自のカスタマイズも可能になる。Digital DepthはFAQの中で、ドリームキャストには公式対応しないが、ユーザーが独自に対応させて液晶モニターでビジュアルメモリを再現することを期待していると語っている。
ラインナップには無線モデルと有線モデルがあり、無線モデルには約40時間プレイできるだけの容量のバッテリーが搭載される。別途USBドングルが用意されているが、コンソールやBluetoothに対応していないPCで使用する場合はこのUSBドングルと無線接続する形になる。また有線モデルの場合も、USBドングルのUSBポートに挿して使用する。つまり有線であれ無線であれ、コンソールと直接接続することはできない。Digital Depthによると、USBドングルを経由することによってPS4やXbox Oneなどのエンコーダーをバイパスする仕組みになっているそうだ(Nintendo Switchについては直接接続できるかもしれないとのこと)。
価格は有線モデルが65カナダドル(約5700円)で、USBドングルとのセットが100カナダドル(約8750円)。無線モデルは80カナダドル(約7000円)で、こちらのUSBドングルとのセットは120カナダドル(約1万円)となっている。Kickstarterキャンペーンは本稿執筆時点で残り42日で、7万5000カナダドル(約656万円)の初期目標金額はすでに達成し、12万カナダドルを越えている。いくつかストレッチゴールも設定されており、100万カナダドルに達すると加速度センサーとジャイロセンサーを搭載。200万カナダドルでは、Xboxコントローラーと同じアナログスティックの配置のモデルを追加する。そのほか設定プロファイル保存可能数の増加や、カラーバリエーションの追加、バッテリー容量の増加などが用意されている。
Digital Depthは家電製品のデザインを手がけるエンジニアチームで、これまでにマイクロソフトなどと仕事をしてきた経験を持つという。Kickstarterキャンペーン終了後に同社はさらに開発を進め、完成した製品の出荷は2018年の4月25日からを予定している。自分にとって使いやすい形状であるかや各パーツの耐久性など、実際に手に取ってみないと分からない部分があり、またコンソール側のアップデートで使用不可になったりしないかや、日本向けに技適を取得するのかどうかなども気になるところだが、製品のコンセプト自体は面白い。興味のある方はキャンペーンページを一度チェックしてみてはいかがだろうか