『PUBG』視聴者コメント欄に入力されたコマンドで操作し、ドン勝を目指す「Twitch Plays」。企画2日目にしてトップ3達成

『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の海外コミュニティにて、「Twitch Plays」によりドン勝(『PUBG』のマッチにて最後の生き残りになること)を目指す企画「Twitch Plays Battlegrounds」がスタートした。

『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の海外コミュニティにて、「Twitch Plays」によりドン勝(『PUBG』のマッチにて最後の生き残りになること)を目指す企画「Twitch Plays Battlegrounds」がスタートした。企画初日にはマッチ内にてトップ10入り、2日目には残り3人まで生き延びることに成功している。

「Twitch Plays」とは、ストリーム配信プラットフォーム「Twitch」にて、視聴者がコメント欄に操作コマンドを入力し、その指示に従うBot操作でゲームをプレイするという企画のこと。過去には『DARK SOULS』を「Twitch Plays」でクリアするという過酷な挑戦が話題となった(関連記事)。無謀かと思われた『DARK SOULS』企画では、ゲーム開始から43日後、904回の「YOU DIED」(ゲームオーバー)を経て、本編クリアという偉業を達成している。

今回の「Twitch Plays Battlegrounds」は、「Twitch Plays Dark Souls」に匹敵する、もしくはそれ以上に高難度な挑戦と言えるだろう。何せ相手はAIではなく生身のプレイヤーだ。それに視聴者は、キャラクターとカメラの移動から射撃までを一つずつ、リアルタイムで指示する必要がある。チャットを入力してから操作が反映されるまでの遅延時間を考慮せねばならない上に、視聴者によってやりたいことはバラバラ。以下のクリップからも分かるように、車両に乗り込むことすらままならない。うまく乗車できたとしても、安心はできない。どれだけ視聴者が「おい、F(降車コマンド)を押すんじゃないぞ。いいな、絶対だぞ!」と注意しても、他の誰かが「 F」をスパムしはじめる。毎度のように投稿される「F」の羅列は、まるで心無いTrollたちが中指を立てているかのようである。

こうしたハンデを背負っているにもかかわらず、企画開始2日目にしてラスト3人まで生き残り、2キルまで達成しているというから驚きである。ただし、2キルのうち片方は、相手が企画趣旨を理解していたのか、殺しやすいよう棒立ちになってくれたおかげで取れたキルである。それを踏まえても、残り3人まで生き残れたというのは快挙だ。生身のプレイヤーとは異なる、予測不可能な、いや、奇怪と言った方がしっくりくる立ち回りが功を奏したのかもしれない。

ちなみにBotの名前は「Twitch_Grounds」。8月2日時点(企画4日目)でのソロ戦績は98戦0勝。キル/デス比は0.02と絶望的だが、トップ10入りは5回、最長生存時間は29分とまずまずの成果を出している。最初の84戦では平均生存時間が13分だったのに対し、8月1日以降(シーズン3)の14戦では18分にまで伸びており、上達の兆しが見える(シーズン3のデータが少ないので、単なる偶然かもしれないが)。以下のクリップは、ときには技術だけでなく運も必要であることを、身を持って教えてくれる「Twitch_Grounds」君の様子である。

最後に、つい味方に手を出してしまう「Twitch_Grounds」君。

通常の実況配信とはまた一味違った『PUBG』を見せてくれる「Twitch Plays Battlegrounds」。無謀とも思えた「Twitch Plays Dark Souls」ですら成功したのだから、コミュニティが力を合わせればドン勝を達成することだって不可能ではないだろう。ただし、最後の1人になるまで生き延びるということは、相手が自滅しないかぎり、1対1の最終決戦を避けては通れないということ。AIの敵を相手にするのとはワケが違う。視聴者たちはいかにして対人戦を乗り切るのか。興味が湧いた方は一度配信を覗いてみる、もしくはコマンドを入力する視聴者の一人として、企画に参加してみてはいかがだろうか。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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