『Warframe』運営元が全アイテムのドロップ率を公開、基本無料ゲームにおけるデータ開示は稀
カナダのゲーム開発会社Digital Extremesは、基本プレイ無料のオンラインゲーム『Warframe』で入手できるすべてのアイテムについて、ドロップ率を記したリストを公開した。今回ドロップ率のリストが公開されたのはPC版が対象と記されているが、PlayStation 4版とXbox One版においても同様のデータが予想される。
基本無料モデルの一定基準を確立する狙い
基本プレイ無料ゲームといえば、有料ガチャによるマイクロトランザクションを採用している作品が多い中、『Warframe』ではランダムのルートボックスを販売する代わりに有料のゲーム内通貨で武器やアイテムを購入する形式を採用している。もしくはゲーム内でドロップする部品を集めて、それらのアイテムを自分でクラフトすることもできる。つまりドロップアイテムの入手率さえ分かれば、目当てのアイテムを自分でクラフトするか、それとも手っ取り早く有料で購入すべきかを、プレイヤーが判断しやすいというわけだ。
ウェブ上に公開されたリストは、アイテムのドロップ場所とレアリティ、入手確率を網羅しており、数値は内部データを基に算出したもの。ゲームデータのアップデートなどで情報が変動した場合、リストの内容も自動的に更新される。なお、入手確率が極端に低い一部の超レアアイテムのドロップ率は0.09パーセントと表記されているが、必ずしも正確な数値であるとは保証できないとして検証中と記されている。
こうした内部データの開示は業界内では珍しく、特に無料部分と課金要素のバランス調整が重要な基本プレイ無料のゲームでは、ほとんど類を見ない。『Warframe』の開発チームも同社が初めてではないかと、リストページにてコメントしている。その背景には、プレイヤーに対する透明性を高めることはもちろん、近年主流となったフリーミアムモデルにおける一定の基準を、すべてのデベロッパーへ提供するという狙いがある。どの程度まで無料で遊ばせて、どこで課金するのか。その線引にトレンドを作ろうとしているのだ。
基本プレイ無料ゲームにおける内部データの開示については、有料ガチャを収益モデルの基軸にしているオンラインゲームやスマートフォンアプリでも、その透明性がたびたび議論の的になる。過去には、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会がランダム型アイテム提供方式の運営ガイドラインを制定したり、内閣府消費者委員会がレアアイテムの出現率や取得までの推定金額を消費者へ適正に表記することを求めたりと、ゲーム業界の是正を促す動きがあった。昨年12月には、中国政府が同国内のオンラインゲーム運営元に向けた声明を発表し、有料ガチャにおける確率の公開を要求する新たな法令を通知。今年5月に規則が施行された。(関連記事:中国政府がオンラインゲームにおけるガチャ確率の公開を要求へ、呼びかけ続く国内動向と欧米の反応)