『グウェント』バランス調整とアップデート情報を発表、スケリッジと天候カードを大幅に弱体化
CD Projekt REDは4日、カードゲーム『Gwent』(グウェント)のアップデート情報を公式ライブ配信にて発表し、スケリッジや天候カードをはじめとした多くの変更点を明らかにした。くわえて、前回大幅に弱体化されたニルフガードにも再び調整が施され、複数のカードが強化されている。これにより前回のバランス変更以降、各勢力の使用率および勝率が極端に偏っていた問題が解消されることが期待できる。また、今年8月に20枚の新カードが追加予定であることも明らかになった。詳細なパッチノートの公開とアップデートの実施は近日中を予定している。
天候カードの変更で使用デッキの多様性に改善の兆し
今回のアップデートで特筆すべき点は、主にランクマッチで猛威を振るっていた天候カードの大幅なバランス調整。「冬将軍」は列の最弱ユニット1体に2ダメージ、「濃霧」は列の最強ユニット1体に2ダメージ、「豪雨」は列の最弱ユニット5体に1ダメージ、「天候術」はデッキ内からのみ天候カードを使用、「スケリッジの嵐」は左から3・2・1点ではなく2・2・1点のダメージに変更される。この天候効果の変更により、全体のゲームバランスが大きく変動することが予想できる。特に、天候カードへ強く依存していたスケリッジの斧兵コンボやモンスターのコントロールデッキは著しい影響を受けるだろう。
その他のニュートラルカードでは、「スタメルフォードの激震」のダメージ対象が8体から6体に、「過剰摂取」は無作為に選んだ6体を2点ずつブーストするという効果に変更。「慄然たる叫び」で生成される熊は戦力値が12から11になると同時に、破滅タグが付与されるため墓地で捕食できなくなる。「アルズールの複十字」「進軍命令」「おとり」はベースアップではなくブーストに変更。「ヴィレントレテンマース」は破壊回数が1回のみになるが戦力値が倍の8に。「ローチ」はゴールドカードの配備アビリティが完了した後に召喚される。そして、ゴールドスペルの「転生」は自分の墓地からのみサーチできるようになる。
ユーザーの使用率が極端に高かったスケリッジは大幅に弱体化されている。まず、前回のバランス調整から常に議論の対象だった「獰猛な熊」は、戦力値が6点から7点に増加する代わりに、封印および死亡時にもアビリティが発動していた不具合の修正に加えて、手札からプレイされたユニットカードのみにダメージを与える仕様に変更される。これにより、配備や遺言で生成されたユニットが影響を受けることがなくなる。「ドラムンド一族の盾乙女」「テルショック一族の斧兵」は古参兵の効果を削除。「モークヴァーグ」は戦力値を8に弱体化すると共に、墓地へ移動時に戦力値を半減する仕様に変更。また、ニュートラルの「オルギエルド」にも同様の仕様変更が加えられている。
次に、かねてより強力過ぎると問題視されていた「ヤルマール」は、ベース戦力値が15から13へ変更されることに加えて、「アンドヴィクの主」が破壊された際に10点のブーストを得るという効果が、「ヤルマール」本人ではなく「アンドヴィクの主」のカードへ記載される。つまり、シルバーカードである「アンドヴィクの主」が封印されてしまえば、「ヤルマール」はブーストされないということだ。これまでは「ヤルマール」を封じ込めるには必ず「ディメリウムの枷」で降格させる必要があったが、より封印しやすくなる。また、ちゃぶ台返しとも言えるカード「カンビ」は、死亡時に敵側へ生成される「ヘムダール」の戦力値が11から16へ強化される。この弱体化の意味は非常に大きい。
スケリッジの次に使用率が高いモンスターについても、一部のカードが弱体化されている。まず、「カランシール」の戦力値が5から7に強化される代わりに、移動できる敵ユニットの数が5体から3体に減少。対スケリッジにほぼ必須だった「サキュバス」は6から5へ変更されたことに加えて、ターン終了時にアビリティが発動する仕様になった。「ニスラル」は4から7へ強化される代わりにアーマーを削除。また、「冬将軍」の効果変更に伴い、霜によるダメージを3点増加という効果になる。最後に、「ワイルドハントの猟犬」が5から4に、「セライノ・ハーピー」が4から3に弱体化される。
前回極端に弱体化されたことで使用率が低下していたニルフガードは、再び日の目を見る。リーダーカードの「エムヒル・ヴァル・エムレイス」をはじめ、「ステファン・スケルン」「セリット」の戦力値が増加していることに加えて、「ジョン・カルヴェイト」の配備アビリティ発動時、「インペリアル・ゴーレム」はドロー前に召喚されるという仕様に戻された。その代わりに、ゴールドカードがドロー候補から除外されている。このほか、「レオ・ボンハート」の効果がベース戦力値分のダメージ付与に変更された。一部の仕様が変更されたとはいえ、「インペリアル・ゴーレム」のコンボが復活したことで、デッキ圧縮というニルフガードならではの強みが戻った点は好感が持てる。
最後にすべては記載しきれないが、北方諸国とスコイア=テルでも複数のカードに若干の仕様変更がみられる。また、この他にも多くのカードが調整の対象になっている。全体的に戦力値が増加される代わりに、特定ユニットがどのデッキでも使用されるような強カードにならないように、多くのカードでアビリティの仕様が幅広く変更されているという印象だ。システム面では、試合開始時のマリガン終了後に相手を待つ間、自分の画面が暗転して手札が確認できない仕様が改善。コンソール版で「ガレットのレソ」や「サキュバス」を相手側の間接・攻城列に置けなかった不具合を修正など、フィードバックに基づいた大幅な改善が施される。また、ランクポイント1000以下では、負けてもポイントが減少しないような仕組みになる予定だ。