『Brothers in Arms』シリーズはまだ死んでいない、Ubisoftから離れ現在Gearboxが新作を開発中

 

Gearbox Software(以下、Gearbox)のCEOであるRandy Pitchford氏は、Geoff Keighley氏のYouTubeショー「GameSlice」に出演し、同スタジオが『Brothers in Arms(ブラザーインアームズ)』シリーズの新作の開発に取り組んでいることを明かしている。氏は同作について「まだ公で披露できる段階にはない」と語るものの、「我々が作りたかった『Brothers in Arms』になる」と意気込みを見せている。また新作はGearboxがパブリッシングを担当するという。

*該当のシーンは7分頃から

『Brothers in Arms』は第二次世界大戦を舞台とした、実話をベースに展開されるFPSだ。コンシューマー向けにはUbisoftが、PC向けにはGearboxがパブリッシングを担当し、開発もまたGearboxが手がけている。2005年には第一作目がリリースされ、その後も据置から携帯機までさまざまなプラットフォームでシリーズ作品が発売された。しかし2008年に『Brothers in Arms: Hell’s Highway』をPC/PlayStation 3/Xbox 360向けにリリースして以来、フランチャイズは大きく方向を転換し、モバイルタイトルとして3作品を配信している。また、Gearboxは一時期『Furious 4』と呼ばれるシリーズの関連作品を開発していたが、2015年にゲームのコアの部分を『Battleborn』に移すとし、開発中止を発表していた。

シリーズ本編が長きにわたり発売されなかった理由として、Pitchford氏は「Ubisoftの見解の相違」を理由にあげている。フランチャイズが急速に成長し両スタジオの関係が成熟するなか、Ubisoftは『Brothers in Arms』をビジネスとして重要であると認識し、大きなタイトルにするために取り組み始める。そうしたなかでGearboxとUbisoftのビジョンは徐々に相違が生まれはじめ、最終的にGearboxがIPを保持し、ファンの求める本物の『Brothers in Arms』を作ることになったのだという。

『Furious 4』

Pitchford氏は同シリーズを、撃ち合いをするゲームではなく、スキルを問うタクティカルな作品であると認識するなど、明確なビジョンがあると語っている。また同スタジオは、『Tales from the Borderlands』にてTelltale Gamesとタッグを組んだことにより、シナリオ構築や演出に定評のある同社から、ストーリーテリングについて学ぶことができたといい、新作ではこうした経験で得たストーリーテリングの手法が用いられるようだ。

Gearboxといえば、看板タイトルである『Borderlands』シリーズは依然として根強い人気を誇るが、『Battleborn』は思うようにふるわず、『Bulletstorm: Full Clip Edition』のリリースに際してはパートナーであるはずだったG2Aと衝突するなど、あまりよい話は聞こえてこない。Gearboxの飛躍のきっかけとなったフランチャイズである『Brothers in Arms』シリーズとともに、かつての勢いを取り戻したいところだろう。