Focus Home Interactiveは5月16日、Deck13が開発するSFアクションRPG『The Surge』をリリースした。対象プラットフォームはPC(公式サイト/Steam)および海外PlayStation 4/Xbox One(本稿執筆時点ではPC版のみリリース済み)。Steamでの販売価格は定価6280円となっている。Deck 13は過去に『DARK SOULS』シリーズから強く影響を受けたダークファンタジーRPG『Lords of The Fallen』を開発したスタジオであり、今作は彼らにとって「ソウルズライク」ゲーム開発への再挑戦となる。
『The Surge』の舞台となるのは、環境汚染や公害病により、人類だけでなく地球の生態系全体にとって危機的状況となった近未来の世界。主人公ウォーレンは、生態系維持のため活動する大手企業「CREO」の末端ワーカーとして勤めるため、エクソスケルトン(強化外骨格)の装着手術を受ける。麻酔抜きの過酷な手術ゆえ、途中で気を失ってしまうウォーレン。目を覚ました彼の前には、「CREO」社のマシーンやエクソスケルトンを装着した同僚たちが暴走した、殺伐とした光景が広がっていた。以降プレイヤーはエクソスケルトンにより強化されたウォーレンを操作し、「CREO」社の施設内部を巡りながら事件の真相を明らかにしていく。
戦闘システムは、体力とスタミナを管理しながら、ドッジやブロックで敵の攻撃を避け、空きを狙って一撃を入れていくというもの。頭・腕・脚いずれかの部位にロックオンし、強・弱ではなく縦・横の攻撃を使い分けることで部位破壊を狙う。処刑技により部位を切り落とせばクラフトアイテムや設計図が手に入る。登場する武器は人間サイズのレンチや刃物といったエクソスケルトン無しでは到底持ち上げられない巨大な工具ばかり。過去作『Lords of The Fallen』では近接武器に不自然なほど重みがあることで不評を買ったが、今作では攻撃モーションの重みにもしっかりと説得力がある。
経験値/お金の役割を担う「Tech Scrap」は『DARK SOULS』における「ソウル」のように、死亡時に全てドロップする。回収前にもう一度死亡する、もしくは制限時間切れになれば「Tech Scrap」の回収機会を失う。ボス戦はインスパイア元である『DARK SOULS』ほど多くないが、雑魚敵の攻撃から受けるダメージ量が多く、ひとつひとつの戦闘に緊張感がある。物足りなさを感じるとすれば、武器とロケーションの種類が少ない点だろう。ロケーションに関しては「CREO」の関連施設内部が大部分を占めるため、やや変化に乏しい。とはいえゲームプレイの中心となる戦闘システムは『Lords of The Fallen』から改善されており、少なくともその一点に関しては過去作よりも期待してよい作品だ。