油彩画風の海戦ストラテジー『Abandon Ship』新トレイラー公開。船長の判断が船旅と船員の運命を左右する


英国のインディーデベロッパーFireblade Softwareが開発する海戦ストラテジー『Abandon Ship』の最新トレイラーが公開された。本作は2016年11月に発表されたプロジェクト。プレイヤーは帆船のキャプテンとして自動生成される大海原を旅しつつ、クエストやランダムイベントをこなし、途中で出くわす敵船との戦闘に挑む。

『Abandon Ship』は『FTL: Faster Than Light』のタクティカルな戦闘要素と、『Sunless Sea』の探索要素を兼ね備えたゲームをプレイしたいという開発陣の思いから生まれた作品であり、そこに海戦を題材にした油彩画からインスパイアされたというアートスタイルを取り入れることで、先人たちの作品にはない独自色を強めている。

映像からも確認できるように、帆船同士の海上コンバットにしては展開が速い。ただしポーズボタンが用意されているため、いざとなれば熟考することも可能だ。戦闘中の操作はRTS形式となっており、船員の移動先や行動をマウスクリックで指示する。船員にはそれぞれクラスが割り振られており、操舵に長けたナビゲーター、砲台の扱いに慣れたガンナー、仲間を回復する船医、近接攻撃力の高いマリーンなど、クラスの特性を生かした役割・配置を考える必要がある。

全人員を攻撃に専念させることは難しく、敵の砲撃により船体に穴が空けば修復作業や浸水を防ぐための排水作業に、火災が発生すればバケツでの消化作業に向かわせねばならない。高波にさらわれて船から落ちた船員をウインチで救出したり、北極地方で戦う場合は氷山との衝突ダメージにも気を配ることになる。ただ嵐が船上に広まる火を消してくれたりと、悪天候が自船の味方をしてくれるケースもあるようだ。

雷が直撃すると火災が発生する

船に搭載する武器はプレイヤーの戦闘スタイルに合わせて選択・強化できる。近距離戦を好むのであれば、衝突による与ダメージを増やすため船の側面を棘だらけにしたり、敵船を捉えるハープーンを装備する。中距離戦を好むのであれば敵船からのダメージに耐えられるよう船体の装甲を強化していく。敵船に直接ダメージを与えずとも、船員をスタンすることで行動不能状態に陥れたり、敵船の帆を破壊することで移動能力を奪うことができる。こうして相手の攻撃の手を止め、後手に回らせることで戦闘の主導権を握るのだ。なお戦闘はどちらかの船員が全滅する、船体が大破する、もしくは水没することで終了となる。たとえ自船が沈んでも、船長さえ無事であれば物語は継続する。

詳細が明らかになっていない「海の魔物」が戦闘や探索パートにどう関わってくるのか気になるところ

なお公式サイトからメーリングリストに登録しておくと、作中で登場する船、船員、ショップの名称の1つを自由に決めることができる。こうしてユーザから集めた名前や開発陣が用意したリストがデータベース化され、そこからランダムで選択された名称がゲーム内で登場するという。メーリングリスト登録を促す方法としてはユニークな試みと言えるだろう。

『Abandon Ship』の対象プラットフォームはPC(Steam)。シングルプレイ限定のタイトルとして2017年内のリリースを予定している。