『ストリートファイターV』のタイステージDLCが配信停止。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』と 同様にBGMでイスラム教を示唆か

カプコンは4月27日、『ストリートファイターV』向けに昨日26日に配信開始したDLC「タイステージ(Temple Hideout)」を配信停止したと発表した。今回ステージを配信停止にした理由について同社は、「使用BGMの一部に宗教に関する引用が含まれている可能性が確認されたため」だとしている。

カプコンは4月27日、『ストリートファイターV』向けに昨日26日に配信開始したDLC「タイステージ(Temple Hideout)」を配信停止したと発表した。このステージは、『ストリートファイターII』でベガと戦うタイの寺院をイメージしたステージがリマスターされたものだ。今回そのステージを配信停止にした理由について同社は、「使用BGMの一部に宗教に関する引用が含まれている可能性が確認されたため」だとしている。

上に掲載したのは、今回の配信停止前にユーザーがアップロードしたタイステージのプレイ動画だ。問題の“宗教に関する引用が含まれたBGM”は、おそらく冒頭の登場シーンのBGMであると思われ、イスラム教の聖典コーランを朗唱しているような演出が取り入れられている。また、対戦中にもうっすらとだが同じように唱えている声が聴こえる。ただ、本件を指摘したイスラム教徒のRedditユーザーによると、唱えている内容はイスラム教を想起させるものではあるものの、コーランとは異なるようだ。

興味深いことに、任天堂がNINTENDO64向けに発売した『ゼルダの伝説 時のオカリナ』でも、まったく同じ内容の言葉を唱えるイスラム風のBGMが使用されていたという。当時はイスラム教徒が礼拝を呼びかけるアザーンとの類似性が指摘されていた。イスラム教ではコーランもアザーンも、音楽と一緒に流すことは禁じられている。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では、のちのROMバージョンで該当部分が削除されたBGMに差し替えられていることから、やはり『ストリートファイターV』でも上述した部分が問題視されたものと考えられる。

こういったイスラム教への無理解から起こったミスはほかにもあり、マイクロソフトが初代Xbox向けに発売した『格闘超人』では、コーランをBGMを使用したことで批判され、回収・販売中止に追い込まれた。またゲーム以外に音楽やアニメ作品でも同様の事例がある。

カプコンはDLC「タイステージ(Temple Hideout)」について、すでにダウンロードされたものについては、臨時メンテナンス時に暫定措置として既存の曲に差し替えるとしており、購入者は引き続きプレイすることができるとのこと。そしてBGMの修正をおこなったのち、あらためて配信するとしている。ことの真相はその修正版との差分を確認するまで断定はできないが、そもそも、タイの仏教寺院をイメージしたステージに、イスラム教を想起させるBGMを使用することのチグハグさは否めない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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