『グランド・セフト・オートV』内に『Red Dead Redemption（以下、RDR）』を再現するというModプロジェクト「Redemption in GTA V」の開発中止が発表された。先週ティザートレイラーが公開されたばかりであった。同ModのリーダーであるMr. Leisurewear氏はGTAForumsにて「心の整理をつけるのが難しいです。今朝、連絡がきて、プロジェクトをやめることになりました。Redemption in GTA Vが実現することはもうありません。」と報告している。コメントにある「連絡」とは、Rockstar Gamesの親会社であるTake-Two Interactiveからものであるとの見方が強い。
「Redemption in GTA V」は先月に存在が明かされたModで、制作チームは9人で構成されており、約3年にわたりこのプロジェクトに取り組んでいたという。『RDR』の特徴である赤い夕陽と広陵とした大地を描くスクリーンショットも公開されており、PCでは発売されていない同作の世界観が楽しめるModとして期待を集めていた。
プロジェクトの中止が要求された理由として、まず考えられるのは次回作の存在だろう。Rockstar Gamesは昨年10月に『Red Dead Redemption 2』を開発中であると明かしている。フランチャイズタイトルを展開するうえで、Modを削除するという動きはそう珍しいことではない。ワーナー・ブラザースは2012年に『The Elder Scrolls V: Skyrim』内にある『ロードオブザリング』Modの公開中止を要請していた。次回作を展開するというだけでなく、今後『Red Dead Redemption』をリマスターする可能性もあるという点では、「Redemption in GTA V」はビジネス上の障害になりえるだろう。
しかし、プロジェクト中止の理由として、より有力なのは「移植であることが問題であった」というものだ。Modチームは今回のプロジェクトでは「移植（porting）している」と述べており、もっと言えば「Xbox 360版のマップを変換（convert）している」とも発言していた。ようするに、オリジナルゲームのアセットを“ぶっこ抜き”、PC版『GTA V』内へ移植していたのだ。Mr. Leisurewear氏は「単なるPC版の移植にするつもりはなかった。移植はマップを使用するだけのためであり、2万5000ものコードを自分で書き直した」と説明していた。
GTAForumsではこうした移植に使用された「.White」と呼ばれるツールの公開を求める声もあるが、Mr. Leisurewear氏は公開する予定はないと断言している。
