発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第422回目は『Time Recoil』を紹介する。
10tonsが現在開発中の『Time Recoil』は、見下ろし型視点のアクション・シューティングゲームだ。そのゲームプレイは『Hotline Miami』や『SUPERHOT』から影響を受けたとしている。
1981年、本作の主人公である女性は独房に収監されていた。そこへ突然ワームホール(別の時代に繋がる時空の歪み)が出現し、中から一人の男が現れる。男は彼女に「生き延びたいなら一緒に来るんだ」と話しワームホールへと誘う。ついていった先は1987年、主人公たちは「Sons of Kronos」と名乗る組織の拠点にいた。この組織は、大量破壊時空兵器を使用してヨーロッパ各国を支配下に置いた「Mr. Time」という男に対する抵抗勢力で、彼の殺害を計画している。しかしそれを実行するのは、世界が焼け野原になってしまった現在ではない。過去に戻って、すべてが始まる前にMr. Timeを殺して歴史を変えることが組織の目的だ。
主人公の女性は、組織にとってどうしても必要な人物だった。組織はタイムスリップを可能にするワームホール生成装置を持っており、Mr. Timeに繋がる人や情報を過去から集めていたが、タイムスリップは身体への負担が大きく片道切符であることが難点だった(彼女を未来に連れてきた男も目的のために犠牲になった)。しかし、彼女はとある実験中の事故がきっかけでタイムスリップに耐えることができる身体を持っていたのだ。個人的にMr. Timeとの因縁があった彼女は、このSons of Kronos の一員として活動することになる。
ゲームは基点となる1987年で組織の指導者からミッションをもらい、過去にタイムスリップして仕事をこなして、そしてまた1987年に戻るという流れを繰り返す。ミッションの内容は有益な情報が記された書類を持ち帰ったり、要人を殺害して歴史を修正したり、あるいはより遠くの未来に行けるようワームホール生成装置を改造することができる研究者をリクルートしてきたりなどさまざまだ。
ミッションのステージはいずれも数多くの部屋がある建物内で、武装した警備員が警戒に当たっている。プレイヤーも武装しており、ピストル・アサルトライフル・SMG・ショットガンなど性能(装弾数や貫通力など)の異なる銃器が登場する。使用できる銃はステージによって異なり、倒した敵が落としたりステージ内に落ちているものを拾って交換することもできる。弾数に限りがあるため無駄撃ちせずに、また倒した敵がランダムに落とす銃を確実に拾って弾を補充していく必要がある。殴り攻撃も用意されているが、敵は2発殴らないと倒せないため、複数人を相手にする場面を殴りだけで切り抜けるのは難しい。
本作の最大の特徴が、敵を倒すと時間がスローになることだ。敵が撃った弾を避けることもわけない。その持続時間はプレイヤーの周囲に表示される時計のようなグラフで確認できる。そしてスローになっている間に、敵をさらに倒していくことでさまざまなスペシャルムーブが使用可能になる。スロー中に2キルすると使用可能になる「Dash」は、発動させると短い距離だが素早くダッシュし、その間にいる敵を倒すことができる。また薄い壁なら突き破ることもできる。4キルするとより広範囲にダメージを与えられる「Dash-Blast」が、8キルするとプレイヤーの前方を広範囲に破壊できる「Psy-Pulse」が使用できる。そして10キルすると、一定のあいだ時間が止まった中を行動できる「Time Freeze」が使えるようになる。こういったスペシャルムーブは多くのミッションにおいて、クリアするために必須の能力ではないが、窮地を打開したり、壁を突き破ることで攻略ルートの幅を広げることができる。なにより、破壊表現が派手でプレイしていて爽快である。
本作は最終的に40ミッションほどを収録する予定とのこと。そして、ストーリーモードでクリアしたミッションは、スピードランモードでプレイし直すことができる。スピードランモードではクリア目標をこなしつつ、スペシャルムーブを利用していかにステージをショートカットするかがクリアタイム短縮のカギとなる。そのためには敵を効率よく、連続して倒せるルートを見つけることも重要だ。
『Time Recoil』は今年の第2四半期にSteamで、第3四半期にPlayStation 4/Xbox Oneでの発売が予定されている。さらにそのほかのプラットフォームでの発売も計画しているそうで、のちほど発表するとしている。公式サイトでは本作のアルファ・ベータ版のテスターを募集しているため、興味のある方は応募してみてはいかがだろうか。