マイクロソフトが「Game Chat Transcription」を発表。チャット音声の文字変換と、テキストチャットの自動読み上げ機能でアクセシビリティを高める


マイクロソフトは3月16日、Windows 10およびXbox One向けに「Game Chat Transcription」機能を追加すると発表した。これはテキストチャットが実装された対応ゲーム内で、ボイスチャットで話した音声を自動的に文字に変換して表示し、また逆に文字入力されたチャットを音声に自動変換して読み上げる機能だ。この処理はリアルタイムでおこなわれる。同社は、この機能をまずWindows 10/Xbox One向けに発売中の『Halo Wars 2』から実装し、将来的にはさらに多くのゲームでもサポートさせていきたいとしている。

この「Game Chat Transcription」機能はOS側で設定し、さらにゲーム側が対応していれば利用可能になる。例としてXbox Oneでの設定画面を上に掲載しているが、まず大前提として“現時点では英語環境以外ではこの機能は利用できない”。日本語環境やフランス語環境などにおいては、肝心の設定項目自体がまだ存在しないのだ。Xbox公式サイト上のサポート情報も米国向けしかまだ用意されていない。したがって、利用するにはシステム設定から表示言語を英語に変更しておく必要がある。

英語環境の設定画面から「Ease of Access(簡単操作)」を選ぶと、「Game chat transcription」の項目が追加されているので、それを選択する。設定項目は3つだけだ。チャットの音声を文字に変換して表示させたいなら「Speech-to-text on」にチェックを入れ、逆にタイプ入力されたテキストチャットを音声に変換して読み上げさせたいなら「Text-to-speech on」にチェックを入れる。両方とも有効にすることも可能だ。一番右側の項目は、読み上げ音声の声質の選択となる。いずれも米国英語で、男性二人と女性一人から選択できる。OS側の設定はこれだけだ。

テキストチャット画面が表示された『Halo Wars 2』のゲーム画面

なおWindown 10の場合は、Xboxアプリの一般設定の中に「Game chat transcription」の項目があるので同様に設定する(こちらも日本語環境はまだサポートされていない)。

今回発表された「Game Chat Transcription」は、ただ便利な機能という以上に、アクセシビリティを高める意味において重要なアップデートだろう。近年の作品では『Overwatch』や『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』などでの取り組みが注目された。業界としてはまだ発展途上の分野だが、誰もがゲームを楽しむことができる環境づくりの一歩として、今後のサポートの拡大を期待したい技術である。