種族間の争いや生態系の進化など「生きている島」が描かれる壮大なオープンワールドRPG『Pine』が本格始動


オランダに拠点を構えるスタジオTwirlboundは、『Pine』の正式発表トレイラーを公開した。本作は以前にも弊誌で紹介したタイトルで、『ゼルダの伝説』や『Middle-earth: Shadow of Mordor』といったタイトルのメカニズムを取り入れたオープンワールドRPGとして開発されている。

舞台となるのは、獣に似た種族がすべてを支配する孤島「Albamare」。プレイヤーは、もはや絶滅危惧種となりつつある人類の生き残りの少年「Hue」となり、過酷な世界を生き抜くことを目指す。

『Pine』の特徴は、「まるで呼吸をしているかのように生きている島を描く」という野心的なコンセプトにある。その代表的なものが、プレイヤーが関与していない部分でも常に争いが起きているというシステムだ。Albamareには多くのNPC種族が存在しており、彼らは生存をかけて戦い続けている。その結果、プレイヤーの知らぬ間に種の消滅あるいは形成がおこなわれる。こうした争いのメカニズムは、実際の進化と生態学の理論をベースにしているというのも興味深い。

また、フィールドに存在するNPCの行動パターンは、天候によって変化する。雨ならば屋内に逃げ込み、見晴らしが悪ければ見通しのよい場所を巡回場所にするなど、場面に応じた選択ができる高度なAIが搭載される。このほか、プレイヤーの行動によって敵が進化することもある。たとえば戦闘においては、敵はプレイヤーの行動を学習する。ただパターンを認識するだけでなく、プレイヤーの戦闘スタイルに合わせて身体を進化させて、攻撃を阻んでくる。固定パターンで攻めるだけでなく、多彩な攻撃手段で敵を倒していくことが求められそうだ。

公開されたトレイラーでは、Hueが草葉の陰から敵に襲いかかる場面や、ほかの種族を束ねて敵に立ち向かうシーンが映し出されている。「生存」がゲームのテーマのひとつとなっており、サバイバルゲームにも思えるが、あくまで人類という種の生存という意味で、ゲームデザインはRPG寄りに仕上げられるという。

本作はこれまで2年にわたって開発が続けられており、すでにシステムの核となる部分は完成しているとのこと。Square Enix Collectiveから支援を受けており、3月9日にはKickstarterキャンペーンの実施が予定されている。