インターネット通信販売大手のAmazonによる自社レーベル「Amazon Game Studios」が新スタジオの設立を発表した。スタジオ責任者は、2015年までDaybreak Game Company(旧:Sony Online Entertainment)のCEOを務めてきたJohn Smedley氏である。「Amazon Game Studios」はこれまで米国シアトル、オレンジカウンティなどに拠点を構えてきたが、今回は新たにカルフォルニア州サンディエゴにスタジオを新設する。
John Smedley氏はMMORPG『EverQuest』を生み出したジャンルのパイオニアであり、そのほかにも『Star Wars: Galaxies』『The Matrix Online』『PlanetSide 2』『H1Z1』にてシューター、アクション、ゾンビサバイバルなどさまざまなジャンルとMMOを融合させてきた。2015年にはインディースタジオPixelmage Gamesを設立し、アクションRPG『Hero’s Song』の開発を進めていたが、2016年12月にプロジェクトをキャンセルし、スタジオを畳んでいる。
Amazonは2014年8月に映像配信サービスのTwitchを買収している。ストリーミング配信とゲームプレイ、この2つの融合と連携を特徴としたゲーム開発・パブリッシングを掲げており、今年1月にはゲームセクションの強化を示唆する特許出願が公開されている。またAmazonのクラウドサービスAWS Cloudや、CryEngineをベースとしたLumberyardエンジンを活かしたゲーム開発にも期待が寄せられている。
「Amazon Game Studios」がアナウンスしたタイトルは現時点で3つ。F2Pマルチプレイ『Breakaway』は球体を相手チームの陣地に運ぶ4v4のアリーナ型対戦ゲームである。『New Worlds』は植民地時代のアメリカを舞台としたMMOサンドボックスゲーム、『Crucible』は近年増えつつある「バトルロワイアル」形式のSFサバイバルである。ただし『Crucible』では対戦するプレイヤー12人とは別に、ゲーム内イベントを発動させたりマッチに干渉する「ディレクター」ポジションのプレイヤーが参加する。Twitch配信者と視聴者とのインタラクションを想定したゲームシステムである。
John Smedley氏が率いる新スタジオは上記とは別の未発表タイトルに取り組むという。スタジオの設立発表文によると「AWS CloudとTwitchの力を活かし、世界中のプレイヤーをつなげる野心的なプロジェクト」とのこと。プロジェクトは開発の初期段階ということで、続報が待たれる。