Valve、Steam Grennlightを廃止し「Steam Direct」を2017年春からスタートへ。開発者がゲームを配信する直接的なシステムに


ValveはSteamコミュニティへ向けた投稿にて、Steam Greenlightに変わる新たなサインアップシステム「Steam Direct」を2017年春から公開すると発表した。2017年春より、開発者は銀行口座を開設するのと同じ要領でゲームを配信することができるようになる。

Steamでゲームを配信するために新規登録をしたい開発者は、「税務署類」「個人または企業の確認情報」「デジタル書類」の一式をValveに提出することとなる。登録された後、ゲームを配信するためにはタイトルごとに「申請料」が必要となるが、この申請料は乱雑なゲームがリリースされ続けないための存在であり、後にどこかのタイミングで開発者へと返金されるようだ(発表では「後で取り戻すことができる申請料」と表記されている)。申請料は現在もまだ協議中の段階だが、100ドルから5000ドルの範囲で模索しているという。

現在までSteamにてゲームを配信するには、Valveと契約済みのパブリッシャーと手を結ぶか、100ドルを支払ってSteam Greenlightに登録するしかなかった。Greenlightに登録してもSteamでの配信が確定するわけではなく、注目が集まりValveの目に止まった段階で、はじめてSteamストア登録への道が開かれることとなる。今回の発表を読む限りでは、「Steam Direct」はその「ユーザーから注目を集めValveの目に止まる」というプロセスをカットしたものだと考えられ、開発者はより容易にゲームを販売することができるようになるはずだ。

ただし、現時点でSteamはすでに1か月300本以上のタイトルがリリースされている状況であり(参考記事)、この「Steam Direct」が始動すればさらにその本数は増える可能性が高い。ユーザー向けにはキュレーションやオススメ機能、レビューや返金サービスなどが充実しているが、開発者としてはゲームを販売しても“埋もれてしまう”可能性が高くなるため、よりプロモーションや露出を考えた戦略が必要となる。そういった面をサポートしてくれるパブリッシャーとの連携なども、今後なくなることはないだろう。