カプコンは10日、全世界における『BIOHAZARD 7 resident evil』(以下、バイオハザード7)の累計出荷数が300万本を超えたことを、プレスリリースをとおして明らかにした。同シリーズは累計7600万本を超える売り上げを記録しており、近年のナンバリングタイトルでは歴代記録を毎回更新してきた。その一方で今作は、ゲームデザインや世界観における大幅な方向転換の影響もあってか、初回出荷本数は前作から大きく減少した。しかし、これまで主にインディーゲームでしか見られなかった一人称視点のホラージャンルに、トリプルA級タイトルとして挑戦した初めての試みであり、同分野の中では確実に成功を収めている。
前作より伸び悩むも新分野の確立に成功
『バイオハザード7』は、2017年1月26日にカプコンからPlayStation 4/Xbox One/Windows向けに発売されたサバイバルホラーゲーム。新生バイオハザードと銘打たれているように、アクション要素に重点を置いてきた近年のシリーズから一転。純粋なホラー作品として原点回帰を果たした。これまで三人称視点に一貫してきたカメラワークを廃止して、アイソレートビューという一人称視点のゲームデザインが採用された。また、PlayStation VRにも完全対応したことで、限定的ではあるがバーチャルリアリティの普及に一役買っている。メディアやユーザーからの評価も極めて高く、先月27日の段階ですでに全世界での出荷本数が250万本を突破していた。
『バイオハザード』シリーズは1996年の第1作発売以降、これまでの累計販売本数が7600万本を超えているカプコンの看板タイトルであり、20周年を迎えた現在もなお世界中から熱狂的な支持を得ている。その一方で最新作『バイオハザード7』の初回出荷本数は、過去のナンバリングタイトルと比べて大幅な落ち込みが見られる。同シリーズは2009年の『バイオハザード5』で初回400万本、2012年の『バイオハザード5』で450万本と、2005年の『バイオハザード4』以降は歴代記録を毎回塗り替えてきた。その背景には、ゲームデザインを大幅に変更し、これまでの世界観やキャラクターを前面に出さない作風が少なからず影響している可能性が考えられる。
先日には、『バイオハザード7』の発売わずか5日で早くもコピーガード「Denuvo」が破られ海賊版が出回ったことで、初期販売計画に少なからず影響することも危惧されていた。カプコンは今後も追加ダウンロードコンテンツの配信や、全国各地におけるPlayStation VR店頭体験会の実施を予定しており、市場の興味や関心を喚起させることでさらなる拡販を図っていく狙いだ。大幅な方向転換やVRデバイスの普及率による減速は否めないが、本作はインディー業界で主流だった一人称視点のホラーゲームにトリプルA級タイトルとして挑戦した初めてのケースであり、同分野の中では確実に成功を収めたと言える。今後もさらなる伸長が期待される。