マイクロソフトのXbox事業責任者であるPhil Spencer氏は2月7日、Xbox One向けに提供している後方互換技術をWindows 10にも導入し、将来Xbox 360タイトルをPC上でプレイできる可能性はあるかを問われ、Twitter上で回答を寄せた。Spencer氏は、コンソールとは違いユーザーによってハードウェア環境がさまざまなPCで後方互換技術を安定して実行させるには、Xbox Oneよりもはるかに多くの手間がかかるだろうとして、実現は極めて難しいという考えを示した。ただ、不可能だとは言わない(never say never)とつけ加え、実現の可能性を完全に閉ざすことはしなかった。
Xbox One上でXbox 360タイトルをプレイできる後方互換機能は、E3 2015のプレスカンファレンスでサプライズ的に発表され大きな喝采を浴びた。ユーザーが所有するXbox 360ゲームディスクあるいはダウンロード版ゲームがそのままプレイ可能になる訳ではないが、個別のゲームに対してソフトウェアエミュレーションを実装する互換対応作業をマイクロソフトがおこなって実現している。
当時壇上で発表をおこなったマイクロソフトのMike Ybarra氏はXbox Wireへの投稿の中で、後方互換の実現は技術的に大きなチャレンジで多くの人から不可能だと言われてきたが、3年以上にわたるエンジニアチームの努力によって実現することができたと語っている。そしてマイクロソフトがそれほどまでに注力したのは、ユーザーからの要望がもっとも多い機能のひとつだったからだとしている。今回Spencer氏がWindows 10への実装は難しいとしながらも将来的な可能性を残す表現をしたのは、こういった経験から技術的なブレイクスルーが起こりえるかどうかを事前に判断することはできないことと、それにリソースを割くかどうかはPCユーザーからの要望が相当に高まるかどうか次第だという考えがあるからだと思われる。
Spencer氏は、Xbox Oneでの初代Xboxタイトルの互換対応についてもTwitter上で昨年10月に回答しており、可能性を否定することはしないが、いまは取り組んでいないとしている。Gizmodo Brasilとのインタビューの中では、優先順位の問題があるとしてPC向けや初代Xboxタイトルについては優先度が低いことを示唆している。このようにSpencer氏はXbox One向けのXbox 360タイトル互換以外については常に一定のスタンスをとっている。この優先順位を動かすほどの要望がユーザーから集まらない限りは、PC上でXbox 360タイトルをプレイすることも、Xbox One上で初代Xboxタイトルをプレイすることも、実現の可能性は低いままだろう。