欧州スクウェア・エニックス傘下の開発スタジオ「Eidos Montreal」。近年の『Deus Ex』シリーズの開発元として知られる同スタジオは、2013年に壮大な「Deus Ex Univers」構想を発表し、昨年にはその旗艦タイトルとなる『Deus Ex: Mankind Divided』をリリースした。一方でEurogamerとKotakuの報道から、同スタジオが当分は『Deus Ex』の大型プロジェクトに着手しないという情報が浮上している。
EurogamerとKotakuは複数の関係者筋から得た情報として、現在Eidos Montrealのスタッフは複数のプロジェクトの開発に参加しており、今後『Deus Ex』の開発に着手する予定は今のところないと報じている。3部作の最終章として『Deus Ex: Mankind Divided』の続編が予定されていたが、こちらはキャンセルされたという。両メディアは、スクエニが5年にわたる多大な投資をしたにも関わらず、『Deus Ex: Mankind Divided』が望まれていた売り上げを達成しなかったという内情も伝えている。
また両メディアは、現在Eidos Montrealのほとんどのスタッフは、Crystal Dynamicsが開発中の『Tomb Raider』最新作の開発を支援しているとも伝えている。先日発表されたように、Eidos MontrealはCrystal Dynamicと共に「The Avengers」プロジェクトにも参加しているが、そこでは「Guardians of the Galaxy」をベースとした第2弾Marvelゲームも開発しているという。
欧州スクウェア・エニックスとEidos Montrealは両社の報道に対し、現在も「Deus Ex Univers」の拡張に取り組んでおり、また『Deus Ex: Mankind Divided』の新規コンテンツとアップデートを今後も続けていくと約束。それと共にCrystal Dynamicsと「The Avengers」プロジェクトにも取り組んでいくとしている。
Eidos Montrealの『Deus EX: Human Revolution』は高評価を浴びシリーズのリブートを見事に成功させたが、その続編として2016年に発売された『Deus Ex: Mankind Divided』は、けっして大きな成功は収めなかったといえる。発売当初はシングルプレイヤーモードでありながら有料の消費アイテムを販売するビジネスモデルが批判され、ゲーム自体もアクション性は高く評価できるものの、ストーリーが前作ほど魅力的でなく尻切れトンボで終わる問題点がある。それゆえにアダム・ジェンセンの物語の決着を見届けたいのはリブート後の『Deus Ex』ファンの望みであると思われるが、それにはもうしばらくの時間が必要となるのかもしれない。
