小島秀夫氏ひきいるコジマプロダクションに株式会社コナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミ)の元従業員が次々と加わっていることが、海外メディアgamingboltの調べによりわかった。コジマプロダクションが開発中の『DEATH STRANDING』というと、ノーマン・リーダス氏、マッツ・ミケルセン氏、ギレルモ・デル・トロ映画監督といった豪華キャストが話題となっているが、実力者が揃いつつあるのは俳優陣だけではないようだ。
2015年のスタジオ設立当初から、元コナミの新川洋司氏と今泉健一郎氏がプロジェクトに参加していることは公表されていた。新川洋司氏は『METAL GEAR SOLID』シリーズのアートディレクターを務めていた人物である。筆ペンによる特徴的なアートワークはシリーズに欠かせない存在であった。今泉健一郎氏は旧小島プロダクションの統括プロデューサーとして活躍していた。
小島秀夫氏とはかねてから親交のあった矢野健二氏もコジマプロダクションに入社している。矢野氏は元KADOKAWA所属。『METAL GEAR SOLID』シリーズのノベライズ化の企画・編集だけでなく、野島一人名義で自らノベライズ版を執筆している。YouTubeにて不定期配信しているHideoTube(ヒデチュー)には小島氏と共に毎回参加しており、互いに良き理解者同士であることが窺える。
2016年11月にはコナミの執行役員・営業本部長であった平野真二氏が入社していることがLinkedInの情報により明らかになった。これによりクリエイティブだけでなくビジネス面でも組織の強化が図られた。同年12月の「PlayStation Experience 2016」では、パネルディスカッションにてFOXエンジンのテクニカルディレクターを務めたSakamoto Akio氏がプロジェクトに参加していることが示唆された。『DEATH STRANDING』で使用されている「Decima」エンジンはGuerilla Gamesが開発したものだ。これを自社タイトル向けに最適化する上で要となる人物だろう。
さらに先述のgamingboltがLinkedIn・Facebookの情報を精査したところ、元コナミ勤務のゲームデザイナーであるSaito Masaki 氏とJackie Tan氏、シネマティック・アーティストのKawakami Yasuhiro氏、キャラクターデザイナーのUchiyama Chihoko氏がコジマプロダクション入りしている。
もちろん従業員の引き抜きに関して小島秀夫氏がコナミと特約を交わしていたかは不明である。ただ、「縄のつながり」を大切にする小島氏だけあって、信頼できることが予めわかっているメンバーを着々と揃えつつあるという事実は、ファンにとって嬉しい知らせだろう。