『Sunless Sea』今春にiPad版発売へ。蒸気機関車型の宇宙船が登場する続編『Sunless Skies』も開発中
イギリスのインディーデベロッパーFailbetter Gamesは1月11日、『Sunless Sea』のiPad版を今春リリースする旨を発表した。対応機種はiPad Pro、iPad Air、iPad Air 2以上。OSはiOS8以上が必要となる。コンテンツはオリジナルのPC版と同じ内容となる。ただし昨年10月にリリースされたDLC「Zubmariner」は含まれない。
iPad版の開発にあたってはBlitWorksとチームを組んでいる。BlitWorksは過去に『Don’t Starve』『Invisible Inc.』『Bastion』といったインディータイトルのモバイル版開発を担当してきたスタジオで、PCゲームをモバイル向けに移植するノウハウに長けている。そんな彼らの力を借りることでiPadのタッチ操作用に最適化を図ることができたという。続編『Sunless Skies』に向けてファン層を増やす効果が期待できそうだ。
続編『Sunless Skies』に関しては、昨年9月に開発が発表されたばかり。今年2月よりKickstarterキャンペーンの実施を予定している。続編では『Sunless Sea』の要素を引き継ぎつつも、舞台を宇宙へと移すことがわかっている。Failbetter Gamesの公式サイトによると、ビジュアルは後期ヴィクトリア調の雰囲気を狙っている。宇宙大英帝国というSF色の強い設定ではあるが、19世紀末に存在したテクノロジーの延長線として描くことで、もっともらしい世界観を生み出す試みだ。本作の宇宙船が蒸気機関車のような形状をしているのはそのためである。
19世紀末はアール・ヌーヴォーが盛んであった時期でもある。有機的なモチーフを多く取り入れた美術運動と「蒸気と鉄」とのコントラストはFailbetter Gamesも興味を抱いている分野だという。検討段階ではあるが、宇宙船にヌーヴォー調のデコレーションを施すことも考えられている。
『Sunless Sea』と同様、ゲームプレイ自体は見下ろしビューで進む。続編ではそこに視差効果(parallax)を加えることで「距離感」を測れるようになる。これは宇宙の果てしなさ、恐ろしさを表現するのに役立てられるようだ。ただし『Sunless Sea』のような暗闇の世界ではなく、命に満ちた宇宙を描くという。スペース系のゲームとしては珍しい。暗闇のかわりには濃霧が広がっているということで、画面の端に映る影が味方か敵かわからない、という不安と緊張は前作と変わりなさそうだ。
『Sunless Skies』の開発はプリ・プロダクション段階であり、多くの情報は開示されていない。画像もコンセプトアートのみとなる。2月のKickstarterキャンペーン実施後には、より詳細な情報が手に入るだろう。