フィンランドのインディーデベロッパーOddrokは1月11日、PC/Mac版『Power Hover』をSteamにてリリースした。本作は2016年にAndroid/iOS向けに販売されていた同名タイトルの移植版である。定価は798円、1月18日までは25%オフの598円にて購入できる。
OddrokはMarkus Kallio氏とJanne Kallio氏が2015年に立ち上げた小規模のスタジオである。両氏は過去に『Trials Evolution』『RETRY』の開発に関わってきた経歴の持ち主だ。その経験は本作でも生かされている。カジュアルなゲームではあるが、プレイヤーに刺激を与え続ける大胆なカメラワークと滑らかなアクションにより、モバイルだけでなくPCでのプレイにも堪える体験が味わえる。
操作キャラクターはホバーボードに乗ったロボットである。ある日、ロボットたちの村から生活必需品である電力が根こそぎ盗まれてしまう。これでは生活できない。まだ犯人の逃走ルートと思わしき痕跡が残っている。となれば追いかけるしかない。犯人を追って砂漠の奥地へと滑っていく中で「そもそもなぜ電力を奪う必要があったのか」という動機も明らかになっていく。
ホバーボードの操作は左右移動のみ。一度でも障害物にぶつかったりコースアウトすると、ステージ内のチェックポイントからやり直しとなる。一度の挑戦でコンティニューできる回数には限りがあり、残機をすべて失えばチェックポイントまでのセーブを失い、ステージのスタート地点からやり直しとなる。そうなる前にゴール地点への到着を目指す。
6ステージごとに用意されたボスステージは通常のステージとは意匠が異なる。ゴール地点はなく、ミスするまで滑り続けるエンドレス形式となっている。ミスすればスタート地点に戻される。フレンドとのスコア競争にはもってこいのステージである。
ステージ内にある障害物のバリエーションは豊富。ドッスン系のトラップ、トゲローラー、レーザー光線、氷柱、爆弾など新しいギミックが次々と登場する。こうした障害物を避けながら、各ステージ内に配置された「バッテリー」をできるだけ多く拾っていく。集めた「バッテリー」は村の復興に使う。するとアップグレードアイテムを入手できる。アップグレードアイテムにはステージ内でのコンティニュー可能回数を増やすものや、ゲームオーバーになっても復活できるバックアップ用バッテリーがある。新しいプレイアブル・キャラクターもアンロックできる。
ゲームプレイの新鮮味が失われないよう、ジャンプ台を使った跳躍、レール上でのグラインド、ハーフパイプによるダイナミックな動きが用意されている。ロケーションも砂漠だけでなく海上、雪山、遺跡などを間に挟むことで見飽きないように配慮されている。なかにはソニックシリーズのボーナスステージ風のステージもあり、世界観がガラリと変わる。カメラワークも固定ではない。ときにはプレイヤーの背後から上昇していき、見下ろしビューに切り替わる。壁をスライドする際にはカメラごと傾く。これらが、目に優しいパレットやミニマルなアートスタイルと合わさることで、最初から最後まで絶えず視覚的な喜びを誘ってくれる。
ゲームモードはストーリーモードとチャレンジモードの2つ。モバイル版の移植ということでゲーム内での追加課金が気になる方がいるかもしれない。その点『Power Hover』は買い切りとなっている。もちろんPC/Mac版はモバイル版よりもフレームレート、ビジュアルクオリティが向上している。キーボード・コントローラの両方に対応。ローカライズは完璧ではないが日本語にも対応している。