インディースタジオBaroque Decayは日本時間12月20日に『Yuppie Psycho』を発表した。『Yuppie Psycho』はピクセルアートを用いたアニメ調のグラフィックで描かれる2Dホラーゲーム。物語の舞台や登場キャラクターは、名前こそ外国的であるが、ビジュアルを見れば日本を強く意識していることがわかるだろう。
主人公となるのは、黒縁眼鏡をかけた黒髪の、いかにも日本のサラリーマンという身なりをした男性、名はBrian Pasternak。Brianは未来のない社会に生きる、希望を持たないしがない青年。ある日、彼のもとに世界有数の会社である「Sintracorp」の本社から、招待状とともに就職のオファーが届く。Brianが胸に希望を抱きながら会社に着くと「ちょっとしたデータを入力してコーヒーを飲んでればいい」と言われ、奥へと誘導される。しかし、着いた先はゴミだらけの暗いオフィス。Brianに課せられた本当の仕事は「魔女」の始末だった。 Brianはおぞましい化け物たちから逃げ延びながら、Sintracorpに隠された闇を探っていく。
『Yuppie Psycho』は、90年代前半の象徴である16bitのゲームと、アニメ風のカットシーンを組み合わせたようなホラーゲームを目指しているのだという。本作は、David Lynch氏や塚本晋也氏といった映画監督の作品や、駕籠真太郎氏や伊藤潤二氏らの漫画から強い影響を受けているようだ。
ゲームシステムとしてはサバイバルゲーム色が強く、そこにパズルやアクション要素が絡んでくるようなものになるのだという。クリーチャーへの対抗手段は、基本的には逃げるのみ。明かりをうまく使いながら周囲を照らしつつ、敵からはうまく身を隠す必要がある。ゲームを進行させていくと幾度も重大な決断を迫られ、下した決断によって大きく結末が変化していく。
本作は音楽にも力が入れられており、『VA-11 HALL-A』で名をあげたMichael “Garoad” Kelly氏がコンポーザーとしてスタッフリストに名を連ねている。ホラーの演出を盛り上げるような重苦しい音楽に加えて、サウンドトラックだけで聞いても耳に残るような美しいBGMが現在制作されているようだ。
Baroque Decayは、今年3月に発売されたパズルとホラーを組みわせたアドベンチャー『The Count Lucanor』を手がけており、2Dのホラーゲーム制作を得意としている。ちなみに公式Twitterアカウントの紹介文には「ピクセルアートと日本を愛している」と記載されている。どこか日本を彷彿とさせる要素の多い『Yuppie Psycho』では彼らの日本への想いが込められているのかもしれない。
対応プラットフォームはPC/Macで、2017年のリリースが予定されている。すでにSteam Greenlightにも登録されているので、気になる方は投票しておくといいだろう。『The Count Lucanor』では、リリース後のアップデートにより日本語が追加されており、本作でも日本語の搭載を期待したいところだ。