「これは(あなたの名前)という名の人物の物語である」。
こんなナレーションと共に愛する人と一緒になれたのなら、『The Stanley Parable』を楽しんだ人にとっては忘れられない体験になるだろう。海外にて同作のナレーターKevan Brighting氏の協力を得てプロポーズを成し遂げたという、素晴らしい映像が公開されている。
Chad Oliver氏がアップロードした映像では、Brighting氏のナレーションに従うがままに2人が歩み、相手のMorgaine Bowers氏に指輪を送るシーンが披露されている。「ChadがMorgainに結婚を申し込むと、彼女はYESと言った」。Bowers氏はその通りに「YES」とつぶやき、プロポーズは見事成功している。『The Stanley Parable』をプレイしたことがある人ならば、彼女に“ナレーションを無視する権利”が十分にあったことは誰でも理解できるだろう。
Oliver氏は海外メディアKotakuを通じて、このプロポーズまでに至った経緯を語っている。かつてステージ4の腎不全をわずらっていたOliver氏は、診断から移植までのあいだにガールフレンドのBowers氏へとホリデーシーズンごとに手紙を送ったのだという(その手紙は「To Morgaine」の名と共にtumblrで確認できる)。彼女はゲーム好きで、送られた手紙はいずれもゲームキャラクターから送られてきたような内容だった。その後、無事に移植手術は成功。月日が経ってプロポーズをするに至り、もう一度ビデオゲームを力を借りることをOliver氏は考えついた。
YouTubeでの紹介文によると、このプロジェクトはOliver氏が『The Stanley Parable』のゲームデザイナーWilliam Pugh氏にTwitter上でお願いしたことから始まったという。なお楽曲はDavid Housden氏が作った『Thomas Was Alone』の「Freedom」のアレンジ版が使用されている。
海外だけでなく国内でも、近年は全世界でビデオゲームをテーマにした結婚式やプロポーズがよくよく見られる。2011年には『Left 4 Dead 2』のカスタムマップを使用したプロポーズも話題となった(上記の動画参照)。2014年にはTwitterユーザーのかみむら氏が、『ゼルダの伝説』のマスターソードや『pop’n music』などのビデオゲーム要素を盛り込んだ結婚式を行った。ビデオゲームには愛を結ぶ力もある。相手がいれば。