『大乱闘スマッシュブラザーズ』の試遊台に毎日通う少年に店員がWii Uをプレゼント。その行為と少年の反応がさまざまな議論を呼ぶ

アメリカでは一足早くクリスマスプレゼントを受け取った一人の少年について話題になっている。Best Buyの『大乱闘スマッシュブラザーズ』の試遊台に毎日のように遊びにくる一人の10代の少年だ。

今年も12月に入りそろそろクリスマスという時期だが、アメリカでは一足早くクリスマスプレゼントを受け取った一人の少年について話題になっており、Kotakuなどが報じている

ニューヨーク・バレーストリームにある大手家電量販店Best Buyのゲーム売場には、Wii Uの『大乱闘スマッシュブラザーズ』の試遊台が設置されている。誰でも自由に遊ぶことができるようになっているその試遊台には毎日のように遊びにくる一人の10代の少年がおり、その売場の店員たちにとっておなじみの顔になっていたようだ。ある日、店員たちは毎日通ってくれるその少年を笑顔にさせてあげようと考え、皆でお金を出し合ってWii U本体を購入し彼にサプライズでプレゼントすることにした。その時の様子をこの売場のマネージャーであるというRahiem Storr氏が12月7日にYouTubeに投稿している。

https://www.youtube.com/watch?v=hs0RIQEEg0k

突然の出来事に驚いて状況がなかなか飲み込めないのか、その少年は困惑したような表情を見せるものの、はにかんだような笑顔も垣間見せているように見える。店員はジョークではないと説明し、ちゃんとレシートや保証もついていることを示しながら彼にWii Uをプレゼントする。動画は少年にWii Uを手渡す前で終わっているが、Storr氏によると、その後店員の一人が車で家まで送ってあげようと少年に申し出たそうだ。

このなんとも粋な計らいにYouTubeのコメント欄や、この動画を取り上げたRedditの投稿には、心温まる話だと店員たちの対応を讃えるコメントが寄せられている。中には自身が経験した過去の似たようなエピソードを披露する人もいる。

その一方、少年は大喜びするかと思いきや終止困惑したようなリアクションであったため、さまざまな憶測を書き込む人も相次いだ。たとえば、少年は複雑な家庭環境から逃れるために毎日この店に来ていたのではないかとか、テレビが買えないことからこの店に来ているのでWii U本体だけもらっても仕方ないだろう、などといったものだ。(テレビがなくてもWii Uゲームパッドでプレイできるという反論ももちろんある)。また、こういったサプライズプレゼントについては、のちに受け取った側が喜びとともに公表して明るみになることが多いが、贈る側が撮影して公開したということで店員の自己満足や宣伝ではないかと嫌悪感を示す人もいるようだ。

ネガティブなコメントが意外に多かったことに落胆したのか、Storr氏は新たに投稿した動画やコメント欄で次のように語っている。

「Best Buyの仲間たちがおこなったことに対してひどいことを言う人たちがいるが、何かおかしなことをしただろうか。たとえば、お金を貯めて買い物にきた子供が数ドル足らなかった時に、おまけしてあげるなんて経験は数えきれない。今回のことも別に他意なんてないんだよ。インターネットには悪意が満ちあふれていることはわかっているが、ほかに言うことがないなら最初から何も言わないでほしい。」

Storr氏は動画の中で80パーセントのコメントがネガティブなものだと語っているが、その後に寄せられているコメントはおおむね好意的なようで、これらの動画についてもポジティブな評価が多数つけられている。少年のなんとも言いがたい薄いリアクションもいらぬ憶測を生んだが、単にシャイだっただけなのかもしれない。Storr氏によると、少年を車で家まで送り届けると優しい両親が迎えてくれたそうだ。

たしかに店員の自己満足かと言われればそうかもしれない。しかし純粋に少年を笑顔にしたいという気持ちからの行動は、多くの人のコメントが示すように見ていて心温まるものである。ただひとつだけ、Storr氏が最初の動画の概要欄に記した「こんなにいい人たちがいて、君たちが買い物をすることで彼らの職を守ることもできる。なのになぜAmazonで買い物するんだ?」。このコメントは余計だったかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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