日本のスピードランナー達が集う「RTA in Japan 2019」が27日昼より開始。4日間ノンストップのRTAの祭典

日本のスピードランナー達が集う「RTA in Japan 2019」が27日昼より開始。「RTA in Japan 2019」は、年末に開催される4日間ノンストップのRTAの祭典である。

ゲームをなるべく早くクリアする。ただそれだけに魅せられたスピードランナー達が集まり、さまざまなゲームをリレー形式でクリアしていく大規模オフラインRTAイベント「RTA in Japan 2019」が明日12月27日の12時(正午)より開催される。イベントは31日の20時までノンストップで続き、その全日程がRTAinJapanの公式Twitchチャンネルにて配信予定だが、会場である秋葉原のハンドレッドスクエア倶楽部に出向いて直接観覧することも可能となっている。

RTA in Japanは、海外で有名なチャリティースピードランマラソンイベントである「Games Done Quick」に触発され、同様のイベントを日本でも開催するべく、もか氏を中心とした運営メンバーが個人で企画・主催したイベントとなっている。弊誌では、過去にRTA in Japan開催までの経緯などについてもか氏に対するインタビューも行っている。スピードランイベントは年々規模が拡大、種類も増加しており、RPG Limit Breakのように通常のリレーマラソンイベントでは外されやすいジャンルにスポットライトを当てたイベントなども存在している。

こういったRTAマラソンイベントでは、設定されたスケジュールに沿って各ゲームの走者達がスピードランを披露していく。基本的にはあくまで「魅せる」ことを主眼においたイベントであり、走者がゲームそのものや、スピードランに使われているテクニックなどをリアルタイムで解説しながらプレイする。走者がゲームプレイに集中できるよう、走者とは別に解説者が用意されている場合もある。スケジュールに設定された予定時間をオーバーしないようにリスクが高いテクニックやリセットの可能性がある戦術は取られないことが多いが、見た目のインパクトがあったり「初見ウケ」が良かったりする場合は採用されることもある。そのゲームを知らない人やプレイ済みではあるもののスピードランを観たことがない人でも、観て楽しめるようになっているのだ。

日本のローカルイベントであるRTA in Japanでは、走者達による解説ももちろん日本語で行われる。GDQを始めとする海外のイベントも最近では日本語の解説配信があるが、さすがに全タイトルを網羅することは難しい状態だ。RTA in Japanでは全てのタイトルで日本語でのリアルタイムの解説を聞くことができる。また、選出されるゲームタイトルについても日本での人気が高いタイトルが多めの傾向となっており、GDQとは少し雰囲気の違ったラインナップとなっている。

選出されたゲームとスケジュールに関してはこちらに掲載されている。マラソンイベントの常として短いタイトルが多めとなっていて、3時間を超えるのは『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』、『ロックマンエグゼ3』、『スーパーマリオギャラクシー』、『冒険時代活劇ゴエモン』、『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2 プロフェッショナル』『ドンキーコング64』の6タイトルとFC/SFCマリオのリレーイベントのみとなっている。スケジュールに記載されているカテゴリーはスピードランをする際のルールのようなもので、Any%の場合は基本的に「なんでもいいのでとにかくエンディングに到達する」ルールとなっている。各タイトルにコミュニティによって制定された細かいルールやタイマーのタイミングなどがあることが多いが、こちらのゲームリストの詳細欄のリンクから各タイトルのルールやカテゴリーについてある程度確認することが可能だ。

特殊なカテゴリーの例として、たとえば『Deltarune』は目隠しでのプレイとなっている。『スーパーマリオメーカー2』はランダムに登場するステージを走破する必要があるし、『コロコロカービィ』はキャプチャの都合上ゲームキューブにゲームボーイプレイヤーを挿し、ゲームキューブごと振り回してプレイする予定のようだ。『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』に至っては、特殊なセーブデータでPSのメモリーカードの脆弱性を突いてエンディングを呼び出す非常に特殊なカテゴリーとなっており、予定タイムは4分。メジャーカテゴリーだと『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は今年に入ってから解析が非常に進んでおり、任意コード実行の方法なども発見されている。こういったフレッシュなテクニックがふんだんに使われたスピードランとなるはずなので、注目のタイトルであるといえるだろう。

スピードランは究極的には「ゲームをなるべく早くクリアする」だけではあるが、たった数秒のタイムを縮めるためであってもスピードランナー達は膨大な研究と練習を積み重ねている。発売当初から存在し受け継がれてきたテクニックを現役の走者が使っていることもあれば、十数年前のゲームに新しいバグが発見されてタイムが大幅に短縮されることもある。今や「やりこみ」の代名詞ともなったスピードランであるが、解説ありで見ることができる機会を逃す手はない。少しでも興味を惹かれるタイトルがあったのならば、ぜひ見てみるべきだ。

Mizuki Kashiwagi
Mizuki Kashiwagi

PCとPS4をメインで遊んでいます。自分で遊んでも、観戦していても面白いような対戦ゲームが好きで、最近は格闘ゲームとMOBAをよく遊んでいます。

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