Mobile of the Weekは、ここ数日の間に発売されたモバイルゲームのなかから光る何かを・際立つ要素を・特筆すべきものを(・場合によっては目に余るデキを)持つタイトルを紹介する週刊連載。第4回は、あの問題児のピンボール『South Park: Pinball』、回転式ミニマルアクション『Helix』、ヘヴィメタル・アクションRPG『Hail to the King: Deathbat』、ゆるふわアクション『Leo's Fortune』を紹介する。
あの問題児がピンボールに『South Park: Pinball』
過激な内容がファンを惹きつける海外アニメ「South Park」のピンボールがモバイルにも登場した。iOS版(400円)・Android版(435円)どちらも2つのテーブル「South Park: Super Sweet Pinball」「South Park: Butters' Very Own Pinball Game」がセットになっている。無料でダウンロードできる『Zen Pinball』にも同じコンテンツが登場しており、こちらはアプリ内課金で個別に購入できる。
とにかくにぎやかであり、キャラクターのセリフがひっきりなしに聞こえてくるため、「サウスパーク」のファンなら少し遊ぶだけで笑顔になってしまうのではないだろうか。『The Walking Dead Pinball』や『Star Wars Pinball 3』など、ZEN Studiosのほかのピンボールシリーズと同じく、ある程度は作品の知識があったほうがよりいっそう楽しめるはずだ。ただし、あくまでピンボールゲームなので、演出面に過度の期待はしないほうがいいだろう。
回転式ミニマルアクション『Helix』
以前「挑戦的な難度のiOS向けローグライク5選」で紹介した『868-HACK』の開発者Michael Brough氏の最新作が『Helix』である。本作は氏が得意とするローグライクでもパズルゲームでもなく、シンプルながらとても難度の高いミニマルアクションだ。対応プラットフォームはiOSのみ。価格は300円。
遊び方は自機をグルグルと回転させ、敵を破壊してスコアを稼いでいく。衝突すればゲームオーバー。「回転すればいいだけ」という単純なルールだが、簡単にスコアを伸ばせるようなゲームではない。その仕組みはゲームプレイ映像を見ていただくほうが伝わりやすいかもしれない。
死ねば最初からやり直しになるため、敵の周囲を回って破壊することと、衝突しないように避けることに全神経を集中させなければならない。つねに緊張感が生まれるため、良いスコアを出せたときの喜びは大きい。この部分は『Super Hexagon』に近いものがあると感じた。
ちなみに、すべてのゲームモードにおいて、現時点(2014年10月20日)でのランキング1位はMichael Brough氏である。開発者とスコアで競うという遊び方もアリだろう。
ヘヴィメタル・アクションRPG『Hail to the King: Deathbat』
『Hail to the King: Deathbat』は、アメリカのヘヴィメタル・バンドAvenged Sevenfold(アヴェンジド・セヴンフォールド)が2013年にリリースしたアルバム「Hail to the King」を題材にしたアクションRPGだ。開発にはリードボーカルのM.Shadows氏も参加している。価格はiOS版が500円、Android版は509円。
SUMMER SONIC 2014にも参加したAvenged Sevenfoldは日本でも人気が高く、そのためか『Hail to the King: Deathbat』は日本語に対応している。また、ゲーム内にはThe Rev氏も登場し、ファンにとって嬉しい作品であることに間違いないだろう。
気になったのは戦闘が盛り上がらない点だろうか。通常攻撃を連続でたたき込んでも敵に反撃されるため、ザコ相手にすらヒット&アウェイ戦法をとらなければならない。人によっては序盤で主人公の弱さに萎えてしまい、そっとアプリを閉じることになるかもしれない。
ゆるふわアクション『Leo's Fortune』
2014年4月に海外でリリースされ、WWDC 2014ではDesign Awardを受賞した『Leo's Fortune』。先週、日本のApp Storeでも配信が開始され、日本語のトレーラーも公開されている。iOS版は500円、Androidは489円。ちなみに、Humble Mobile Bundle 9にも登場しており、平均額以上の支払いで購入可能。ただし、対応言語については未確認。開発はスウェーデンに拠点を置く1337&Senri。過去にはターン制ストラテジー『Devil's Attorney』と、デバイスの加速度センサーを使ったアクションゲーム『Dark Nebula』を手がけている。
『Leo's Fortune』は「Sesame Street」に登場しそうなフワフワのキャラクター「レオ」が主人公のパズルアクションで、盗まれた財宝の謎を解き明かすことが目的である。よくある定番の即死トラップや、頭をひねって考えないと解けないパズルなどさまざまな仕掛けが行く手を阻む。『LIMBO』など話題作からアイデアを寄せ集めたものかと思いきや、実際にプレイすると『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』にも似ている。ただ、体を膨らませて落下速度を制御したり、重心を低くして足場を傾けたりといった操作がなかなか面白く、短時間ではあるもののクリアするまで十分楽しむことができた。
今回紹介した作品のなかからピックアップするなら『Leo's Fortune』である。すっかり見飽きた感じがあるトラップや仕掛けがいくつか登場するものの、その解き方がとてもかわいらしい。定番のものを新鮮に感じさせる工夫は、1337&Senriの過去作『Dark Nebula』でも見られた。本作は、彼らのアイデアと、過去に話題になったタイトルがうまく混ざり合っている。