ダンジョン探索型アクション 『Tallowmere』がiOS/Androidへ移植

第29回Mobile of the Weekでは、レトロスタイル2Dアクション『Sword Of Xolan』、ダンジョン探索型アクション『Tallowmere』を紹介する。

Mobile of the Weekは、ここ数日の間に発売されたモバイルゲームのなかから光る何かを・際立つ要素を・特筆すべきものを(・場合によっては目に余るデキを)持つタイトルを紹介する連載。第29回は、レトロスタイル2Dアクション『Sword Of Xolan』、ダンジョン探索型アクション『Tallowmere』を紹介する。

 

レトロスタイル2Dアクション『Sword Of Xolan』

『Sword Of Xolan』はモバイル向けの2Dアクションゲーム。開発を手がけたのは、トルコ在住のCGアーティストAlper Sarikaya氏。現時点ではiOS版(120円)のみ販売されており、今後AndroidとWindows Phone版の発売が計画されている。

プレイヤーは平和のために戦う青年「Xolan」となって、剣と魔法を操り悪と戦う。ゲームモード「Adventure」は3つの章に分かれており、それぞれ10ステージとボス戦が用意されている。「Challenge」には9つのステージがあり、いかに早く目標を達成するかといった遊び方を楽しめる。

ゲーム自体は以前紹介した『Goblin Sword』に似ており、ステージの変化の少なさや、敵の攻撃パターンの単純さが目立っている。ボス戦がすべてであり、そこにたどりつくまでは散歩といったところだろうか。

敵を倒したり、壷を割ったり、さまざまな場面でコインを入手できる。このコインを1500枚集めると「Game Card」を購入できる。このカードは主人公を強化する効果があり、唯一の成長要素でもある。ボスとの戦闘がつらいと感じたのであれば、コインを集めるために何度も同じステージを繰り返しプレイするといいだろう。

ビジュアルや操作性には特に不満はないのだが、冒険を続けても大きな変化がないというのは退屈に感じてしまう。各ステージに隠されたキャラクターを救出するといったわずかなやりこみ要素も、目新しいものではないだろう。ただ、120円という低価格であることを考慮すれば、暇つぶしに遊ぶゲームとしてはちょうどいいのかもしれない。

 

ダンジョン探索型アクション『Tallowmere』

今年の3月にSteamでリリースされた2Dアクション『Tallowmere』がモバイルにも登場した。iOS版の価格は480円、Android版は365円。デベロッパーは、ニュージーランド在住の独立系ゲーム開発者Chris McFarland氏。

『Tallowmere』は、ランダムに生成されるダンジョンや恒久的な死といったローグライクの要素を持つ2Dアクションゲームである。ダンジョンは複数の部屋に分かれており、部屋の番号が出現するモンスターの数を表している。最初の部屋では1体、次は2体と増えていく。先に進めば進むほど部屋の中はモンスターまみれになるのだ。

プレイヤーは数種類の武器を持ち歩くことができ、いつでも好きなときに持ち替えて攻撃できる。魔法は使えないのだが、ほとんどの攻撃をブロックできるシールドを装備している。ストアの説明に”Tactical shield blocking”とあるように、本作を攻略するうえでシールドはとても重要である。

武器にはそれぞれ特徴があり、たとえば「カタナ」なら攻撃するたびに敵の場所にワープし、強力な遠距離攻撃が可能な「ロケットランチャー」は発射するたびに反動で後方に下がってしまう。長所と短所があるというわけだ。また、装備品にはレアリティ(星の数が多いほど高性能)がある。登場するアイテムの種類はそれほど多くはないのだが、敵を倒したときや宝箱の中から、または牢屋に閉じ込められた商人から購入できる。基本的には自分が扱いやすい武器を選んでいくといいだろう。

種類は少ないがボスも登場する
種類は少ないがボスも登場する

難度は高めだが、『Rogue Legacy』や『Vagante』ほどではないので、シールドをうまく使えるようになれば冒険を長く続けられるようになるだろう。ただ、これはPC版の話だ。iOSとAndroid版はタッチスクリーンということで、操作はお世辞にも快適とは言いがたく、事故死の確率はとても高い。普段からiPhoneなどでアクションゲームに慣れ親しんでいる方であれば問題ないかもしれないが、その逆であればゲームを楽しく感じる前に挫折してしまう可能性もある。右と左に素早く向きを変えなければならないシーンも多いので、タッチデバイスとの相性はイマイチである。

ユニークなのは、Steamで本作を購入すると、Android向けのapkファイルをダウンロードできる点である。HumbleではまれにPCとAndroidゲームがセットになっていることはあるのだが、Steamでは珍しいのではないだろうか。今後このような作品が増えていけば、Androidデバイスのゲーム機としての立ち位置が変わるかもしれない。ちなみに、iOS/Android版を購入してもSteamキーは付属していない。5月28日にモバイル版がリリースされる『Desktop Dungeons』も同じような仕組みであれば……と期待してしまうのは私だけではないだろう。

第29回Mobile of the Weekの最優秀作品には『Tallowmere』を選ぶ。PCからの移植ということもあり、モバイルで遊べるアクションゲームのなかではボリュームが多く感じられる。操作に関しては上記のとおりだが、そこさえ我慢できれば長く遊べるだろう。

Shinji Sawa
Shinji Sawa

ゲームはジャンルを問わず遊びますが、1回のプレイ時間が短いものが好きです。FPSやRTSは対戦モノを積極的にプレイします。しかし緊張するとマウスを持つ手が震えるタイプでもあります。

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