Mobile of the Weekは、ここ数日の間に発売されたモバイルゲームのなかから光る何かを・際立つ要素を・特筆すべきものを(・場合によっては目に余るデキを)持つタイトルを紹介する週刊連載。第11回は、キャラクターデザインがかわいらしいストラテジーRPG『Braveland Wizard』、ボクセルグラフィックで描かれた捕虜救出ヘリアクション『Dustoff Vietnam』を紹介する。
ターン制ストラテジーRPG『Braveland Wizard』
ターン制ストラテジーRPG『Braveland』の続編が先週発売された。村の平和のために戦う若者を描いた前作とは違い、今作は魔法学校の最終テストに挑む女性ウィザードBrianaが主人公である。対応プラットフォームはiOS(400円)/Android(299円)/PC(698円)。開発を手がけたのは、ロシアに拠点を構えるTortuga Team。
ターン制ストラテジーは、操作の面で、iPhoneやスマートフォンなどタッチデバイスとの相性がとても良い。コントロールミスが命取りになることもなく、途中で電話やメールの対応もできる。しかし、ゲームシステムが複雑になるほど遊びにくくなるのも事実。1回のプレイ時間が長い作品は、モバイルに最適とはいいがたい。先月『XCOM: Enemy Within』がiOSとAndroidに移植されたが、「あの規模になるとタブレットでも疲れてしまう」という方も多いだろう。
戦闘に関しては『Heroes of Might and Magic』シリーズに似ている。複数の同種ユニットはスタックし、毎ターン1度だけ敵の攻撃に反撃できる。ヒーローは戦場に立たないが、強力なスペルを使える。ヒーローの装備によってユニットの能力が変化し、レベルが上がればタレントポイントを振り分けて特徴を伸ばすことも可能だ。ただし、あくまで似ているだけであり、ほぼ1本の決められた道を進み、代わり映えのしない戦闘を繰り返すのみだ。いまいち盛り上がりに欠けるのは事実だが、これぐらいカジュアルなほうがモバイルにはちょうどいい。
気軽に遊べるターン制ストラテジーRPGを探しているのであれば、『Braveland Wizard』を候補に入れてみてはいかがだろうか。空いた時間を埋める良きパートナーにもなってくれるはずだ。
ボクセル・チョップリフター『Dustoff Vietnam』
『Dustoff Vietnam』は、ヘリを操縦し、捕虜を救出するアクションゲーム。似ている作品をあげるなら『チョップリフター』だろう。ボクセルグラフィックで描かれる懐かしの名作、といったところだ。iOS版は300円、Android版は無料(アプリ内課金あり)。開発を手がけたのはハンガリーのデベロッパーInvictus Games。
上昇や下降、機体を左右へ傾ける、これらの操縦は2つのボタンのみでおこなう。初回プレイ時はクセのある操作方法に戸惑うかもしれないが、慣れてしまえば自由自在にヘリをコントロールできるだろう。とはいえ、狭いエリアを飛ぶのは簡単ではなく、岸壁や木に衝突すれば墜落してしまうため、まるで『Flappy Bird』をプレイしているかのような難しさである。
まれに物資の運搬などもあるが、ゲームの目的は捕虜の救出がメインである。戦車や対空砲なども登場し、ヘリに搭載した機銃で破壊しなければならないステージもある。ただし、攻撃は自動でおこなわれ、プレイヤーが狙いを定めて発射することはない。ちょっと物足りなく感じるかもしれないが、タッチ操作であることを考えれば、これぐらいシンプルなほうがいいだろう。
ヘリで捕虜を踏み潰してしまうことはないが、慎重に着陸しなければ機体がダメージを負い、運が悪ければ大破してしまう。最後まで気を抜かぬよう注意していただきたい。攻略方法があるとすれば、心を落ち着かせることだ。
先週は『Shadowrun: Dragonfall – Director's Cut』や『Tomb Raider II』もリリースされたが、モバイルならではの作品に絞ると、第11回Mobile of the Weekの最優秀作品は『Dustoff Vietnam』である。操作に慣れても難しい作品ではあるが、子供のころに『チョップリフター』をよく遊んだという方ならば、懐かしさを味わえるはずだ。そして、難しさに苦しむことになるだろう。