見えないゾンビと戦うオーディオゲーム 『Audio Defence: Zombie Arena』

第6回は、回転マッチ3パズル『Twisty Hollow』、回転落ち物パズル『QbQbQb』、音を頼りにゾンビと戦う『Audio Defence: Zombie Arena』を紹介する。

Mobile of the Weekは、ここ数日の間に発売されたモバイルゲームのなかから光る何かを・際立つ要素を・特筆すべきものを(・場合によっては目に余るデキを)持つタイトルを紹介する週刊連載。第6回は、回転マッチ3パズル『Twisty Hollow』、回転落ち物パズル『QbQbQb』、音を頼りにゾンビと戦う『Audio Defence: Zombie Arena』を紹介する。

 


回転マッチ3パズル『Twisty Hollow』

 

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数多くのフラッシュゲームを手がけているArkadiumのモバイル作品『Twisty Hollow』は、せっかちなお客の注文に応えるパズルゲーム。前回紹介した『Sleep Attack TD』と同じく、回転が肝になっている。iOS版の価格は300円、Android版は後日リリース予定。

画面中央には大きな円形のテーブルがある。中心から外に向かって「職人」「道具」「素材」が別のレーンに配置されている。レーンは個別に操作でき、お客がベーコンを注文したのであれば、「調理師」「包丁」「豚」を回転させて縦に並べる。宝石なら「坑夫」「つるはし」「原石」の順番になる。いわゆるマッチ3パズルである。

ゲームを進めていくと少しずつ難度が上がり、よりいっそうスピードと正確さが求められるようになるのだが、序盤の数ステージでアイデアが出尽くしてしまっているように感じられる。「もう一工夫欲しい」というのが正直なところ。キャラクターはとてもかわいらしく、日本語にも対応しているので、お子様と一緒に遊ぶといいかもしれない。

 


回転落ち物パズル『QbQbQb』

 

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『QbQbQb』は、ブロックではなく落下地点を回転させる落ち物パズル。iOS版は300円、Android版は298円。開発を手がけたのはRezoner。過去作品はこちらで確認できる。

各ステージには3つの難度があり、それぞれルールに違いがある。Easyは「Stack Three」、つまり同じ色を縦に3つ重ねるとブロックが消える。Mediumは「Match Three」で、縦横かまわず同じ色のブロックが隣接すれば消える。Hardは、同じ色のブロックを正反対側に落とすと消える「Mirror」。ちなみに、掲載しているGIFアニメは「Stack Three」である。

シングルプレイのみならず、1台のデバイスで2人対戦も可能だが、全体的にいまいち盛り上がりに欠けるといった印象を受けた。回転のアイデアは面白いのだが、それ以外はごく普通の落ち物パズルである。特に気になったのは操作性だろうか。わずかに指が動いただけで大きく回転してしまうことが多いため、慣れるまではフラストレーションがたまるかもしれない。

どこか『rymdkapsel』を思わせるビジュアルと、少し落ち着きのあるチップチューンはとても良い。タイトル画面のまま数秒放置しておくと、テーマソングの歌詞が表示され、カラオケを楽しめるようになっているのも面白い。タッチ操作が苦手ならば、PC版の購入を検討してみるのもいいだろう。

 


音を頼りにゾンビと戦う『Audio Defence: Zombie Arena』

 

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「暗闇のなかでゾンビと戦うことになったら……」を体験できるのが『Audio Defence: Zombie Arena』である。価格は500円。iOSのみ対応。開発を手がけたのはSomethin' Else。過去には『Papa Sangre II』や『The Nightjar』など、「音」がメインのホラーゲームをいくつかリリースしている。

『Audio Defence: Zombie Arena』は、プレイヤーに襲い掛かるゾンビやミュータントを、銃やフライパンで返り討ちにするゲーム。といっても『Left 4 Dead』や『Dead Island』のようなアクションゲームではなく、「音」を頼りに戦うオーディオゲームだ。デバイスの画面には、4つの攻撃関連ボタンのみ表示される。敵の位置を知るためのレーダーなどはなく、自分の耳を信じるしかない。ちなみに、プレイヤーは視力を失った戦士という設定である。

視界が真っ暗な状態でゾンビに襲われるシーンをイメージしてほしい。そのような状況になったら、ゾンビのうめき声の大きさで距離を測り、震える手で銃口を向けるだろう。まさにそれを体験できるのだ。スクリーンショットや文字だけでは伝わりにくいと思われるので、興味のある方はトレーラーを見ていただきたい。

チャレンジをクリアすればコインやジェムが手にはいり、それを使ってロケットランチャーなどの武器購入、攻撃力や装填数のアップグレードも可能。エンドレスモードも用意されており、その気になれば長く遊べるだろう。

 

今回紹介した作品のなかからピックアップするなら、迷うことなく『Audio Defence: Zombie Arena』である。Somethin' Elseが過去にリリースしたオーディオゲームとは違い、本作には「移動」がない。そのため、プレイヤーはゾンビから逃げることはできない。自由度が低くなったように思えるかもしれないが、その制限のおかげで恐怖や焦りを強く感じることができるはずだ。

 

Shinji Sawa
Shinji Sawa

ゲームはジャンルを問わず遊びますが、1回のプレイ時間が短いものが好きです。FPSやRTSは対戦モノを積極的にプレイします。しかし緊張するとマウスを持つ手が震えるタイプでもあります。

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