ゲーム業界の転職、一番多い転職理由は何?だいたいどのくらい給与アップする?ゲーム専門転職エージェントに訊いた【ミニインタビュー】
本稿では、ゲーム業界における「転職理由」を、転職エージェントの副ゼネラルマネージャー・菅原芳樹氏に伺った。

国内だけでもさまざまな企業が存在するゲーム業界。専門的な知識・スキルを求められる業界でもあり、企業や職種によって活かせるスキルもまちまち。一般的な転職ノウハウがしっくりこない傾向もあるだろう。
弊誌はそんなゲーム業界での転職について、ゲーム人材の紹介・派遣サービスで30年の実績を誇るIMAGICA GEEQに気になる質問をさまざまぶつけていく。実績ある同社から得られた回答を連載で紹介していこう。本稿はその第3回となる。
IMAGICA GEEQは、ゲーム制作のEtoEサービスを掲げ東京・大阪・新潟などに拠点を置く一方、全国でゲーム転職サービスを展開する企業だ。直近ではカプコンやCygamesなど有名企業が多数参加する転職イベント「ゲームクリエイターズドラフト」を主催している。5月にはゲームクリエイターキャリア相談会@関西ゲーム企業が17日および23日に実施予定だ。
第3回を迎えた本稿では、ゲーム業界における「転職理由」を、引き続き同社エージェント部の副ゼネラルマネージャー・菅原芳樹氏に伺った。なお、IMAGICA GEEQは転職エージェントであるため、ポジショントーク要素もあるかと思われ、その点を留意していただければ幸いだ。
Q.ゲーム業界の転職について、一番多い転職理由は何ですか?
A.
通常、転職は「給与に対する不満」が多いかと思われますが、ゲーム業界においては、実は「仕事内容」を理由に転職される方が圧倒的に多いです。
転職を希望するゲーム開発者の方は仕事に対するこだわりが強く、転職の際にも「給与が下がってでもやりたいことを優先したい」という方が多くいらっしゃいます。
たとえばソーシャルゲーム会社で就業中の方が、コンシューマーゲーム開発に携わりたいという思いで転職活動をされるケースがよくあります。そこでコンシューマーゲーム開発の経験が少ないからという理由で希望給与を50万円~100万円下げる方も見られます。
とはいえ転職での給与アップを希望される方も当然いらっしゃいます。上昇額としては個別の事例になるところではありますが、個人的な感覚として、50万円前後の給与上昇で転職に成功されている方が多い印象です。
上昇額については、「企業がその方のスキルや人物像を求めているか」「前職年収と経験を踏まえた希望金額であるか」「企業の制度上無理のない範囲であるか」などといった要素を考慮して、企業の状況に応じて判断されます。
Q.仕事内容や給与以外が転職理由になる場合は、どういった例がありますか?
A.
転職における相談として多いのは「リモートワークの希望」ですね。これまでリモートワークで働いていたところを、引き続きリモートで働きたいというご要望は、やはりコロナ禍を経てライフスタイルが変化した現れなのだと思います。
ただ一方で、近頃は勤務形態をリモートワークから出社主体に切り替えた企業が多いこともあり、求職者の希望と募集企業の制度が折り合わない、というケースも増えています。企業側としても、「採用するからには長期的に就業してほしい」という思いがあるかと思います。そのため、スキルや経験が魅力的だとしても、企業の制度・風土・文化と希望が合わないと判断された場合、見送りになることがあります。
とはいえ、リモートワークひとつ取っても環境は日々変動していますし、同じ企業の中でも職種、役職、部署、プロジェクト毎で異なる可能性もあります。企業側も求人票にあえて表記しないケースもありますので、その際はぜひエージェントに相談してみてください。今まで考えてもみなかった企業が実はマッチしていた、などいろいろな発見があるかもしれませんよ。
第3回の内容は以上となる。今後も弊誌ではIMAGICA GEEQに、ゲーム業界での転職にまつわるさまざまな質問をぶつけていき、日曜日に不定期掲載予定。気になる人はチェックしてほしい。ゲームクリエイターキャリア相談会@関西ゲーム企業は5月17日および23日に実施予定だ。